甲府〜井川雨畑林道

予定どおり、今回のメインイベントの井川雨畑林道に向かうことにする。
今日は20時から、以前話を聞いてたいへん聴きたく思っていた、友人の主催するプロジェクトのライブが関内であるので、帰りに東名から降りて間に合うようなスケジュールで行こう。



8時半に甲府を出発。国道140〜国道52と南下して行く。まだ朝なので気温は低いが、好天なのは嬉しい。予報では曇り時々晴れだったんだが。
南アルプス公園線(県道37)に移り、雨畑湖方面へ向かう。早川沿いの道なのだが、河川敷を工事中なのがもったいなかった。

 

雨畑に至ると、雨畑ダムの入口近くに蕎麦屋がある。朝食はパンとカロリーメイト程度の寂しいものだったので、ぜひ食いたいと思っていたのだが、残念ながら営業開始まではあと1時間程もある。
ここは硯と碁石の名産地らしく、集落には硯屋さんが多く見られる。

 



雨畑ダムを過ぎると、見神の滝というところがあったので、トイレ休憩がてら立ちよって見る。地図はこちら。正確な位置にちょっと自信無しです。とても美しい滝なのだが、意外にもマピオンの地図に載っていなかった。

 

水車小屋を越えて行くと、青空をバックに紅葉の中から滝が落ちていて、カレンダーみたいな出来過ぎた風景だ。


この滝の滝壺から水を引き、水車小屋まで樋で運んでいるのだが、残念ながら水車は回っていなかった。常時水車を回しているわけではないようだ。



道は狭いのだが、交通量もあまり多くなく、天気もよく、気温もちょうどよく、実に気持ちよく走れる。木々のトンネルを抜ける道や、渓谷沿いの道や、開けた展望など、バリエーションも豊かだ。

  

  

 

標高が上がるにつれて、工事をしている区間が多くなってくる。舗装化の工事をしているようだ。トラックが道を塞いでいたのだが、バイクはトラックの脇を通してくれた。
山梨県側の山伏山頂までは、固く締まったダートが残っている。

 


だいたいは問題なく走行できるのだが、日陰には粘土質の泥が広がっているところが残り、オンロードタイヤでは時々ズルっと滑って怖い。
腹が減ってきたので、一休みしようと思ったのだが、うっかり食料や飲み物を調達しておくのを忘れていた。まだまだしばらく、商店どころか自動販売機もないだろうに、これは困ったぞ。



山頂を越えて静岡県側に移ると、一転、よく舗装された道路になる。標高が高い(2013m)せいか、葉は既に枯れ落ち、禿げ山っぽくなってきている。


こちら側は交通量が上り/下りともにけっこう多い。ちょっと立ち止まって写真を撮っていると、遅い車にたちどころに抜かされてしまう。それをなんべんも繰り返し、もうあきらめてのんびりと走ることにする。

このポイントで、井川湖上流に行く道と、勘行峰へ向かう道とに分かれる。前者は、小学校のマラソン大会のため、時間指定の通行止めということだ。


それでは通行止め区間の起点である、小学校のある場所をツーリングマップルで確かめようとしたが載っていない。そうだった、縮尺が14万分の1になってからのツーリングマップルには、小中学校は載らなくなってしまったのだ。山道の数少ないランドマークが表示されなくなって常々憤っていたのだが、今回もまた、してやられてしまった。
まあ、小学校のありそうな場所に至る時期には、通行止めは解除されてるだろうし、まだマラソンやってたらそれはそれでネタになるからOK。



下って行くとまた紅葉が復活してくる。山梨側よりもこちらのほうが色とりどりだし、ガスが少ないのできれいだ。三脚を据えてじっくりペンタックスの645とかで撮っている、本格的な人達をよく見かける。こちらは対照的に、バイクにまたがったまま、タンクバッグからバッと取り出して数枚撮ってまた再出発、という慌ただしさだ。

 

  

そんな感じで写真を撮り終えてから発進しようとすると、ブスブスブス...とエンジンが停止してしまう。ガスはまだ問題ないはずなので、プラグのカブリだろう。標高が高くて相対的にガスが濃くなって、しかもダートやのんびり走行が長時間続いたせいだろうか。
いつもなら飲み水を口に含んで、ブーッとエンジンに吹いて熱くなっているのを多少冷ますのだが(ほんとは機械にとっては良くないこと)、前述の通り、水を買い忘れたので、グローブした手で触れるくらい冷えるまで待つ。これでけっこう時間を食ってしまった。
プラグを交換すると、あっさりと調子は元に戻った。



井川湖畔を南下していくと、井川駅近くの集落に入った


ちょっと前にマラソン大会は終わっていたらしく、警察官が連れだってぞろぞろと帰り出していた。
ここで「手打ちそば」と幟の立てられた店があったので入ってみる。どうやら地地元のおばちゃん組合がやってる店みたいだ。もりそばを頼む。つゆがなんか妙に「節」っぽい後味だけが舌に残る。いまいち締まりのない味であんまり好みではない。蕎麦もいかにも手打ちっぽい、太さがバラバラなのはいいんだが、いくら何でもバラバラすぎ、短すぎ。これはちょっといまいちだな。



今回は大井川鉄道に併走して南下する計画だったので、以前にも来たことがある井川駅方面とは分かれて、この地点で接阻峡温泉へ向かう道に乗り換える。
快調に流れてはいるものの、交通量多いなあ。全然山奥感がない。それに地図上ではわりと併走しているものの、実際には道路は鉄道よりも数10メートル高いところを通っていて、樹木に遮られているし、めったに見られない。

しかしそのおかげで、珍駅として有名な、井川線の奥大井湖上駅をじっくり観察することができた。地図はこちら

 

この駅は、ダム湖を渡る鉄橋の中間地点にポツンとあり、レストハウスと小さな公園しか施設が無いのだ。この周辺散策の出発地として機能しているのかな。



県道77に移る。プラグのトラブルなどで、当初の想定より少々遅れてしまった。井川湖辺りからは天気は曇ってきてしまった。まあ紅葉地域で晴れているのが多かったからよしとしよう。


道端に「もりのいずみ」という温泉があるとの看板が出ていた。入浴する時間はありそうなのでぜひ立ち寄ることにする。
休憩所と風呂の入口が密接しているという珍しい構造で、風呂に入るには休憩所の人込みの中を通って行かなければならない。
露天風呂は緑豊かでいい雰囲気。たぶん夏なら清涼感あって気持ちいいんじゃないかな。消毒でもしているのか塩素の臭いがかすかにあるのは残念。

国道362に移り、本格的に帰途につく。しかしなんかやたらとノロノロ運転が延々と続いている。あまりにノロノロなので、併走する県道77に移る。こちらは車だとすれ違いが難しいような狭い道なのだけど、バイクならちょうどよい抜け道になる。
国道473に移り、あとは淡々と東名道の相良牧之原ICに向かう。やっぱりノロノロ運転の車にしょっちゅうひっかかる。こんなことなら併走する県道64のほうがよかったかも。



ようやく相良牧之原ICに到着すると、なんと御殿場から横浜町田まで渋滞45kmとの表示。ただでさえ遅れているのに、そんな渋滞ではもうお手上げだ。
しかし御殿場に向かう間に解消されるかもしれない、と望みをかけて東名を上って行く。
駒門PAに至った時には、渋滞37kmに減っていたが、それでも横浜町田までは2時間の予測。


バイクだから普通に擦り抜ければ3割ほど短縮できると思うが、それでも無理だ。ここでもうライブに行くのはあきらめてしまった。

東名の渋滞を避けて、御殿場で高速を降りて国道138>東富士五湖道路。山中湖のあたりは気温が4度で、冬グローブでも指先がしびれる寒さ。富士急ハイランドの辺りに至ると、急に暖かくなったような感じがする。でも気温6度。大月あたりでは気温10度で、指先のしびれはなくなった。こういう外界の変化を体感できるからバイクは面白い。たぶんオープンカーも同じだろう。
山中湖から道志みち(国道413)を通ることも考えたのだが、もうかなり疲れていて、クネクネ道を走る気にはならず、中央道経由で渋滞を擦り抜けつつ帰宅。