ミニキーボード Nostromo SpeedPad N52
ノートPCでもProToolsを使えるようにしようと思い、外付けテンキーを買いに行ったところ、異様なミニキーボードを発見してしまった。

本来の使用用途としては、主にFPSのPCゲームのコントローラだ。使用用途としてはゲームパッドなのだけど、キーボードの左1/3を切り出したような形になっている。
FPSでは、キーボード左側を移動や装備変更に使い、右手のマウスで視点変更や照準に使うらしいので、その左手担当部分を独立させたもののようだ。
製品の箱に書いてある能書きを読んでみたところ、コンビネーションキー(Ctrl+Shift+Lとか)も、この各キーに登録できるということだ。
それならば、Protoolsのショートカットを登録させれば、これはかなり使える代物になるのではないかと考えたのだ。
僕はProToolsでは、右手マウスで選択範囲の変更、スクロール、ズームを行っていて、左手はキーボードの一番左側にほぼ固定させているので、これはピッタリなのではないか。テンキーよりも便利だ。
ルックスのダサさは凄まじいものがあるのだが、まあそんなの気にしない。
さて設置してみると、欧米人の手を想定しているのか、日本人男性として普通の手の大きさの僕には、けっこうでかいサイズだ。

実用にはギリギリなサイズだ。女性にはかなり厳しいんじゃないかな。手のひらを乗せる部分が無駄に膨らんでいるんだよな。
さてさっそくノートPCにUSB接続してみると、このN52は認識されるのだが、各キーにショートカットをアサインさせようとすると、なぜかノートPCのキーボードを認識しない。なぜだ? 原因を究明するのは後回しにして、デスクトップPCのほうに接続したところ、こちらは全く問題なく動作した。
このN52は、14のキーと、1つのクリックつきホイールと、8方向キーと、2つのボタンで構成されている。
しかし、赤・青・緑の3つの動作モードに切り替えることが出来るので、ノーマルモードと合わせれば、4倍も操作できる対象が増えるのだ。
気が利いていることには、この動作モード変更には、MomentaryとToggleとの動作が選べる。Momentaryは動作モードボタンを押している間だけモードが切り替わり、Toggleは一度動作モードボタンを押せば、解除するまでそのままモードを保持する。
さっそく実際の制作作業をしつつ、キーアサインを行っていく。
僕は8方向キーを動作モード切替ボタンとして使用することにした。右なら赤モード、下なら青モード、左なら緑モードとしている。
ノーマルモードでは、リージョン操作系作業・トランスポート系・ナッジ系を担当させることにした。
Tab,Shift,Ctrl,Altをキーの最下部4つのボタンにアサインしたので、基本的な作業は、文字を打ち込むとき以外は右手にマウスを持ったまま、左手はN52に置いたままで完結できる。
普通のキーボードではテンキーの+-で行うナッジが、ホイールで出来るのはかなり快適だ。
赤モードは、インポートダイアログ時の操作用。普通のキーボードでのファイル選択用カーソル移動や、プレビュー再生関係を左手に集約させた。これはToggle切り替えで、解除するまでは赤モードを保つ。
青モードは、普通のキーボードではF1〜F10に相当する、シャッフル・スリップの切り替えや、トリム・セレクトの切り替えなどに割り当てた。
これはMomentary切り替えにしている。例えばトリムツールに切り替えるときは、8方向キーを左に入れて青モードにしつつ、K07を押せば、F6を押したのと同様になり、トリムツールに切り替わる。
緑モードは、主にコピー&ペースト系。これもMomentary切り替えにしている。
まだトライアル&エラーの真っ最中なのだが、おそらく僕の使用用途では、文字を打ち込むとき以外は、普通のキーボードを使わなくてすみそうだ。
慣れるまで時間が掛かりそうだが、慣れたらかなりの戦力になりそうな予感だ。
ものすごく残念なことには、Windows版のProToolsって、Altでメニューをプルダウンできないので、もともとショートカットが割り当てられていない動作を登録することは出来ないのだ。
よく使うAudioSuiteを、キー一発で呼び出せたら、これはいかにも能率が上がりそうなんだがなあ。
他にも本体の作りの全体的なちゃちさは困る。本体が軽く剛性が弱いので、ちょっと力を入れるとカタカタと動いてしまう。これはなんとか対策したいな。
親指で操作する系のボタン2つが、軽くポンと叩くだけでは反応しない。特に赤ボタン。クッと押してやらないと反応しない。最初は赤ボタンをプレイバックに担当させていたのだが、あまりに反応が悪いので頭にきて、一番手前のレバーボタンに移動させた。こちらは少しはマシな反応なのだけど、平均的日本人男性の手の大きさの僕には、ちょっと親指が疲れてしまう。
赤ボタンは、結局普通のキーボードで言うところの右Enterを割り当てた。ダイアログのOKを押したり、メモリーロケーションを打ったりする時用だ。
そんなわけで、基本的には使える代物なのだが、本体の作りが甘くて損をしているなという印象だ。ロジテックあたりが作ってくれたら、夢のように快適に変貌するんじゃないかなあ。