銚子電鉄のぬれ煎餅を食いに行く

船橋にちょっと用事があって、それは予想外に瞬く間に終わったので、先日にこの記事を読んで気になっていた、

・「ぬれ煎餅買って」 経営難の銚子電鉄がSOS

銚子電鉄のぬれ煎餅を食いに行くことにした。調べてみると、予想外に銚子って遠いところで、片道2000円以上運賃が掛かってしまうのだが、ローカル線の雰囲気音を録音するのだという名目で、経費で落とすことにする。

銚子電鉄の公式ページでは、トップでおもむろに「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」と直裁に語りかけております。たしかに電車に乗りにいける機会がある人は限られるからなあ。
いま検索したところ、なんと「鉄道事業の赤字を補うために「副業」として始めたぬれ煎餅事業ですが、現在では本業の鉄道事業のおよそ2倍の収入を稼ぎ出しているというのですから驚きです。」だそうだ。2倍!

銚子に総武本線で到着すると、同じホームに銚子電鉄の、ヘンテコな改札口があった。そして列車は、これは確かに「電車修理代を稼がなくちゃ、いけない」な、と一瞬で納得するような、ヴィンテージ感溢れる車両でありました。
例によって、クリックすると大きめの画像が開きます。

 

車両は1両だけで、バスみたいに運賃を支払う仕組み。ちょうど昨年に行った、いすみ鉄道と同じだ。ローカル線にはよくある形式なのかな。


そんなわけで切符売り場というのが無いので、車掌兼運転手さんから、1日乗車券を買う。


僕の後にも数人が1日乗車券を買っていた。1両しかないということもあるが、学生の下校時間前なのに、意外に客は乗っているようだった。
列車の本数も意外に多く、予想していたようなローカル感はない。
平地の田んぼと住宅地の間を走っていく路線で、そんな感じの地方で生まれ育った僕にはさんざん見慣れた雰囲気で、あまり新鮮味が無く、車窓を見ているだけで楽しいという路線ではない。

ヘンテコな駅舎の観音駅や、物置みたいな待合室の西海鹿島駅に気を取られつつ、目的の犬吠駅で降りる。いま変換したら「犬貿易」と出たのだが、どういう貿易だよ。

 

これまたケッタイな南国風の駅舎である。中に入ると、いきなり醤油の焼ける香ばしい匂いが漂う。その場で焼いているぬれ煎餅を求める人が並んでいた。


既に焼かれて包装済みのものと、焼きたてのものがあり、味が「普通」「うすむらさき」の2種類ある。それぞれ組み合わせで、計4枚買う。


焼きたてのものは、それほど濡れた感じは無い感じだ。温かみが残っていて香ばしく、あまり甘くなくてうまい。包装済みのほうは、いわゆるぬれ煎餅って感じでしっとりしている。せっかくなら両方買うことをお勧め。
さんまの佃煮も売られていて、試食したらうまかったので買ってきた。帰ってきてから釜揚げのうどんと合わせてみたらうまかったです。

犬吠駅の前には古い車両が置かれていて、いまは営業していないが、喫茶店になっているようだ。

 

しかしこれもまたヴィンテージ感がすごいな…。車両の下部などはパネルが剥がれてしまっている。

せっかくなので終点の外川駅まで行く。こちらは対照的に昔ながらの木造駅舎。この路線って、駅舎の方向性が極端だなあ。

 

どの駅に行っても、駅に入ってくる列車を撮影している人を見かける。外川駅はこの雰囲気が人気なのか、とりわけ多くの鉄道マニアらしき人がいた。
列車の床が、これまたバスっぽく木製だったり、なぜか吊り広告が全部手描きだったり、なかなか味がある車両でありました。