JR全線全駅下車の旅―究極の鉄道人生 日本縦断駅めぐり

鉄子の旅」で「旅の案内人」そして「おかしな鉄ヲタキャラ」としておなじみの、横見さんの本業である、トラベルライターとしての本を図書館で見かけたので、さっそく借りてきた。

JR全線全駅下車の旅―究極の鉄道人生 日本縦断駅めぐり

JR全線全駅下車の旅―究極の鉄道人生 日本縦断駅めぐり

これが面白くて、一気に読みきってしまった。無茶と思えることをやり遂げてしまう人っていうのは、やっぱりスゴい。不道徳なことでなければ対象が何でもいい。
明らかに苦行で偉業なのだが、自己陶酔もしないし、説教臭くもならないのも好みである。
ページ上部に、見出しを兼ねて?現在話題になっている路線の一覧が出ているのも気が利いている。
僕が不案内な地方になると、いまいち文章から地勢がイメージしにくいのが残念だ。簡単な路線図があるだけでも全然印象が違うと思うのだが。鉄道マニアは路線図が頭の中に入っていたり、路線図片手に読むのかもしれないが、さすがにそこまで僕は熱心に読むわけではないし…。

横見氏撮影の駅写真もまた好きだった。被写体のどこを他人に見せたいのかが、たいへん明確な写真が多いのだ。「鉄子の旅」でおなじみの「どう?!この角度!」という思いが、第三者の僕にも良く伝わってくる。見る人への誠実さがある写真だ。
特にP118の驫木駅の写真は素晴らしい。駅舎をフレームド真ん中に置いただけ、背後には日本海の水平線、駅入口前に広がる空間。そして被写体である駅舎と、その周囲の状況とのバランスがステキすぎるのだ。カラーで見たかった。
これはほんとに好きな写真だ。そして「好きこそ物の上手なれ」系の上手さがあると思う。
あきらかに、のちに値札をつけられることを意識しないで撮影されている写真なのだが、結果的に値札をつけてしかるべき写真となっているな、と思った。

↑…最初「横見氏撮影の駅写真」と書いていたのだが、ちゃんとあとがきを読んでみると「今回掲載している写真の大半は、友人である西崎さいき氏より拝借」とのことであった。これは失礼しました。やっぱりあとがきとか解説はちゃんと読まなければならないですな。