自転車のグリスアップをなめてはいけなかった

約1年前に7年ぶりに自転車を買ったのだが、ときどきタイヤに空気を入れる以外は、油さえ挿さない、全くのノーメンテだった。しかも雨ざらしの駐車場に置いている。
金属部分はだいぶ錆が目立ってきて、チェーンなんか真っ赤である。
無印良品の25000円自転車なので、それでもあまり気にしていない。

そんなありさまだから、最近はギアが1速に入りづらくなってしまって、調整せねばならんな…と思っていたのだが、とりあえずは基本からということで、まずグリスアップすることにした。単に回転部とかにバイクで使ってるスプレーグリースを吹いただけ。
そしたらそれだけでギアの入りの悪さが一瞬で解消されてしまった。それに走行が軽い軽い。まじかよってくらい。わりと苦労して登っていた坂が、ちょっと苦労して登るくらいに変わってしまった。

1速に入れたとき以外は、特に摩擦音とかはしていなかったので油断していたのだが、実はずいぶんフリクションロスしていたらしい。
1年前の新車時は、今より体重が9キロほど重かったので、フリクションが増えるのとちょうど反比例して体重が減ってパワーウエイトレシオがよくなっていたため、気づかなかったのだろうと思われる。
たったこれだけでこんなに快調になるとは、全く反省してしまった。今後も、せめて雨に降られた後など、ちゃんとグリスアップしてあげようと思う。

というか、こんなに快調に走るのなら、自転車でツーリングに挑戦するのもいいかもしれない。
この自転車、小径(とは言っても20インチ)でホイールベースが短くてイマイチ乗りづらく、遠乗りをするという発想が沸かなかったのだが、なんだかすごく挑戦してみたくなってしまった。
フロントタイヤの空気圧をあえて少々下げ目にしたらハンドリングが安定することに気づいてからは、かなり違和感無く乗れるようになってきたのだけど、やはりホイールベースの短さはいかんともしがたいものがある。

そういえば、9年ほど前に、当時の愛車のキャノンデールのF700に乗って、1泊ツーリングに出かけようとしたことがあった。
ちょうどそのころ、異常な忙しさがひと段落着いたばかりのときで、すっかり体力が落ちていた。
自宅から出発して10分くらいの交差点で信号待ちをしていたときに、貧血を起こしてしまい、横断歩道手前でバタンと倒れてしまった。
これは本当に突然に起こった貧血で、特に体調の悪さを感じていたわけでもなく、普通に信号待ちをしていたつもりだったのが、気がついたら道路に横になっていて空を見上げていて、なにがなんだかわからない事態に陥ってしまった。ビンディングペダルでシューズとペダルを固定していて、外足のほうは衝撃で外れたのだが、内足のほうが外れないままで、ますますテンパってしまった。
その交差点のところにある八百屋のおばさんが飛び出してきて、助け起こしてもらった。なんという醜態だ。自転車用のヘルメットとレーサーパンツ、前述のとおりビンディングシューズという、すごくちゃんとしたサイクリストめいた感じの格好だったのに。
「自転車でツーリングに挑戦するのもいいかも」と先ほどタイピングしたとたん、数年ぶりくらいに、つい思い出してしまった。忘れたい記憶であったのだが…。