長野県聖高原周辺

以前に列車でほくほく線の美佐島駅を訪問した際、途中停車した姨捨駅周辺を、もう一度バイクか車で来たいものだと思っていたのだった。今回の目的地はその周辺だ。天気もよいようだし、バイクで行くことにする。

上信越道の坂城ICを降りて、国道18を北上。戸倉温泉街への入口に向けて左折すると、姨捨山に向かう498号線だ。
信号を越えてすぐ急右折、急坂を昇って行く。途中に「男女和合の神」を祀っている神社とか、異常に看板の文字が下手くそな「日本歴史館」とか、怪しさ満点で興味津々なところがあったのだが、意外に車のすれ違いが多く、停車して写真が撮れなかったのが残念だ。

その「日本歴史館」を過ぎると、交通量はほとんど無くなる。ぐんぐんと標高を上げて行くが、残念ながら樹々のせいで展望はあまり開けていない。僕のバイクとはギア比の相性が悪く、2速だと高いけど3速だと低い、っていうコーナーが連続して、いまいち気持ち良く走れない。
画像はクリックすると大きいバージョンのものが開きます。


それでも、つくづく「ああ、ここが俺の居場所なんだな」という思いを強く抱く。ここっていうのは、今現在いるこの場所のことではなくて、バイクの上のこと。バイクの上とか車の中で移動している間が、自分が本来の居るべき場所のような気がしてどうしようもない。もし僕が仮に家族を持って家を建てたとしても、もうこの気持ちは一生どうにも変えようがないもののような気がする。否定や肯定をされてもされなくてもどうしようもなく、ごまかしようも無く、ぜったい心の奥底のど真ん中で燻り続けると思う。などと考えていた。



頂上付近に到着して、ようやく展望が開けた。高速道路と線路が併進している。地図と見比べてみると、どうも姨捨駅と冠着駅(かむりきえき)の間の区間、長野道と篠ノ井線を見下ろしているようだ。携帯電話で姨捨駅の時刻表を調べてみると、あと10分ほど待つと列車が通るはずなので、せっかくなので待つことにする。
熱い中、列車を待ったのはよいが、列車は地味な色なので、どうも映えなくて残念な感じだった。

 



長野道のトンネルの上を越して行くと、別荘が並んでいる。この辺はまだ涼しく、アジサイもまだ咲いているくらいだ。

 

別荘地を下って行くと、国道19沿いに聖湖がある。まあ立ち寄ることもなく、さらっとパス。501号を聖山方面に向かって行く。途中のすずらん湖までの区間が、僕のバイクにはぴったりのコーナーが連続していて実に楽しく、1回往復して3度も走ってしまった。



県道12との交差点で右折し北上する。地図で見かけた、大岡温泉に立ち寄ろうと思ったのだ。
これまでと異なり、一気に展望が開ける道となる。ツーリングマップルで書かれている「稜線をつなぐ見晴らし最高のルート」だ。交通量もほとんど無い。しかし残念ながらガスがかかっていて、スッキリ晴れ渡っているという感じではない。
棚田がずっと続いて行く。トラクターやらコンバインやら、どうやって入れているのかがいまいち想像が付かない地形だ。

 

 

 

 



大岡温泉に到着。入浴料は350円と安い。かなり汗もかいたことだし、さっそく入ってみることにする。


駐車場はほぼ満車だったので、混んでいたら嫌だなあと思っていたのだが、風呂には僕一人しかいなかった。なので遠慮なく写真を撮ってしまう。

 

内湯も露天もちょっと狭いが、眺めはなかなかよい。女湯の方は知らないが、男湯の露天は立ち上がったら、外のたんぼから丸見えなような気がする。
泉質自体には特徴はないのだけど、ロケーションがよいのでなかなか気に入った。そばを始めとして食事もできるようだったのだが、休憩所兼食堂は地元の人がずらっと寝転んでいたので、あきらめてしまった。



食事をするため、国道19沿いの信州新町道の駅に入る。もちろん盛り蕎麦を頼む。特徴があるようなうまさではないのだが、さすがに長野だけあって、普通の味の平均点が高い。特に印象に残る訳でもなく普通なんだけど、物足りない感じがしない。

明日は朝5時半からMotoGPアメリカ生放送を見たいので、この辺で帰ってしまうことにする。更科ICから上信越道を上って行く。今にして思えば、姨捨山から篠ノ井線に併走し、姨捨駅方面へ向かった方が、今回のツーリングのテーマには合っていたかな? 列車の車窓をから、この道をバイクで走って見たいなあと思ったのが今回のきっかけなので…。ちょっと後悔してしまった。