驚異の宇宙くじ

これは先月の25日の話だ。
埼玉県秩父市西武秩父駅を歩いていたところ、なにやら異様な物体に遭遇した。


遠目(視力右1.5、左0.6)に見たときには、稼動前のビンゴかなにかに見えた。球の内部でスポンジ状の玉が風圧で吹き上がって回転するアレかと思ったのだ。
しかし別に玉が吹き上がっている様子もないから、これから商店街主催のビンゴでも始めるのかな(地元出身の演歌歌手とかが司会で)と思っていた。

もう少し近づくと、球の中では極彩色のなにやらヒラヒラした奴が飛び回っていた。
真っ先に想像してしまったのが、南方系のグロテスクな色彩の蛾とか蝶が、球の中に入り込んで暴れてしまっているというシチュエーションだった。

怖いもの見たさで近づくと、やはり真っ赤な蝶状のものがヒラヒラと球の中で舞い上がっていた。
が、それはよくみると蝶でも蛾でもなく、ただの紙切れだった。
いったいなんだこりゃと顔を近づけると、時々球の壁に張り付いて静止する。



これは驚異の宇宙くじなのであった。
驚異&宇宙&くじなのである。
どのあたりが驚異なのかというと、この奇怪な形状により、球の中でヒラヒラと自由自在に浮遊することによって、キャッチするのが大変難しいからだそうである。
これが驚異、ですか? そして…宇宙、ですか?
ふわふわと宇宙遊泳をしている宇宙飛行士にインスパイアされたのですか?
むしろこの"Wonder Space Chance"という超直訳英語のほうが驚異な気がするのは僕だけだろうか。

だれか挑戦してくれないかと15分ばかり観察していたのだが、誰一人として一瞥すらくれないようだった。
そういえば心なしか、驚異の宇宙くじの端っこは擦り切れていて(拡大写真参照)、人気のなさを物語っていた。虚しく球内を飛び回るだけの哀れな驚異の宇宙くじだ。
僕も連れがいたならば挑戦しても良かったのだが、あいにく1人散歩中だった。
大の大人が1人でこの球に手を突っ込んで驚異の宇宙くじをつかんで、お菓子か何かとくじを引き換えるのはちょっとばかし勇気が必要だ。
ナムコファイナルハロンを1人でやるほどの勇気は必要ではないのだが…。