DEATH NOTE /大場つぐみ・小畑健

週刊少年ジャンプ連載の漫画。現在単行本で2巻まで読んだところ。
ジャンプ系とは僕は相性が悪くて、週刊少年ジャンプはもう10数年ろくに読んでいなかったのだけど、惜しいことをした。これは面白い。

DEATH NOTE (2) (ジャンプ・コミックス)

DEATH NOTE (2) (ジャンプ・コミックス)

ストーリーのフォーカスをライトとLの駆け引きに絞っているのが特に感心。
こういう設定だと、読者様のストレスを解消させるように犯罪者をいかに始末するかを描きがちなんだが、そちら方面には決して流れず、話の軸はぶれることが無い。あくまで犯罪者たちは駒としてしか活用されてない。この割り切りは実によい。

ライトとLの駆け引きも、緊張感があってよい。いまのところお互いに大きなミスしてはいないのに、双方ともに互いの真相に近づきつつある(ちょっとLが有利か)。ミスに付け込んだ駆け引きではなく、互いの発想の穴をねらった駆け引きなので大変刺激的だ。
このあたり、福本伸行の「銀と金」を思い出すストーリー構造だ。
カイジでメジャーになった作家だが、こちらのほうが断然よい出来)

気になるのはデスノートのルールとリスクのうち、後付けでの追加されたものの不自然さがどうしても拭えないことだ。
お話上、駆け引きの面白さを演出するためには、なるほどこれは必要なルールとリスクなんだが、そもそも死神が人間の寿命を規制するためのツールにしては、あまりにも複雑すぎるし不必要な機能(っていうのも変だが)が多い。この点でご都合主義的な意図を感じてしまう。
単行本1巻完結くらいのスケールなら、初期のルールとリスクだけで面白くまとめられのだろうが、長期連載を視野にいれると、このくらい複雑にしないと駆け引きの妙が出ないだろうからなあ。仕方がないとも言える。

さて2巻最後の方で、ライトは監視カメラの存在に気づき、盗聴と盗撮の本を買ってしまった。買ってしまっていいのか? いかにも優等生風高校生がそんな本買ってしまうのは本屋店員の印象に強烈に残るんじゃないかね? さあどうなる?
とりあえず、この漫画のためだけに毎週ジャンプを立ち読みすることになりそうだ。