トルク

…という、いくらなんでもそりゃないだろうというタイトルのバイクアクション映画です。原題も"TORQUE"で同じです。

トルク [DVD]

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公式サイトはこちら。あらすじはこんな感じ
もう見るからに、頭をカラッポにして、ポップコーンとコーク片手に「オー、イェー!」とかなんとか叫びながら観るのが似合いそうな映画ですね。その予想は全く裏切られません。

予想は裏切られないのだけど、期待は裏切られまくり。B級映画なのは最初から承知していたし、むしろB級っぷりを楽しんでやろうではないかと意気込んでいたんだが、これはかなりガッカリだなあ。
お話のあまりのヒネリの無さは予想通りだから、まあいいとして、一番肝心のバイクアクションがつまらない。すべてがすべて予想通りというか、想像していた範疇を超えることはない。

女二人が、エクストリーム・ライディング風の格闘を繰り広げるのはなかなか良かったが、本物のほうがよっぽどスゴいことやってるんだよね。映画だっていうのに、本物よりショボい技を出されても盛り上がらないよ。
この「本物のほうがスゴい」感は、このシーンだけでなく、全編に渡って感じられます。

"Y2K"っていう、実在のガスタービンエンジンのバイクが出てきてからは、突然にマトリックス風SF超高速バトルになってしまう。節操無いなあ。しかも超高速とはいっても、単に早回ししているような感じで、超高速になることによってアクションに新たな戦略や緊張感が生まれているわけでもない。

たぶんバイクアクションに先入観が無い人が観ても、カメラワークも寄り多すぎ、カット割り多すぎで、バイクのムーブメントが流れとして伝わってこないから、ダイナミズムを感じなくて面白くないんじゃないかなあ。
ちょっと盛り上がってきたかな、と思ったところで、必ずといっていいほどアクションパートは終わっちゃって、ヒネリのない陰謀シーンとかに移行しちゃって、ちっともスッキリしない。

1/4世紀前から何も変わっていないかのような、アメリカン・ハードロックメインの曲調もまたバカっぽさを強調していた。いやー、ほんとにコテコテだったわ。
コテコテといえば、効果音類もそうだった。バイクのスタンドをしまう程度の動作なのに「ジャキン!」みたいな、アニメっぽいノリ。そのノリとしてはハイファイでなかなかよかったです。耳が疲れたけど。