ゴルゴ13の光学迷彩

前回と今回のゴルゴ13光学迷彩スーツを着た部隊とのバトルという内容だった。
あんまり詳しくない話題なのだが、検索してみると現在ではプロジェクターでスーツに背後の風景を映写するという、全く実用性のない方法でしか実現されていないっぽかった。
このゴルゴ13のお話の中では、スーツ自体が有機ELディスプレイになっていて、ヘルメットなどに取り付けられた複数のCCDカメラの画像をリアルタイムにスーツの表面に表示して、光学迷彩を実現している、という設定で、兵士たちは目の前5メートルくらいのところにいる光学迷彩部隊を視認できないということになっていた。

以下ネタバレです。

ゴルゴ13は夜間戦闘に誘い込み、照明弾を発射し、地面に映った兵士の影から場所を推定して射撃したわけなんだが、これってわざわざゴルゴ13の頭脳を使わなくても、誰でも思いつくアイディアなんじゃないかと思うが。この光学迷彩のシステム上、背後の風景に溶け込むことはできても、前方から一直線に向かってくる光には効果がないのは、開発中どころか仕様検討時にはもう判断できるはずだし。
ノコノコとゴルゴの挑発に乗って夜間戦闘を受けるこの大佐ってどうよ?

昼間戦闘だとしたら、僕なら色素を含んだ、空気よりも比重の重いガスを噴霧する。
いくら光学迷彩スーツでも、表面に色素が密着したら形無しだろう。

うーんしかしいくらなんでも無理があるような。CCDカメラの画像は歪みがないように、リアルタイムに補正しなくては効果は得られないはずなんだが、背後の風景を自動認識、自動判断して歪みを取るなんて無理でしょ。
また、光と影の境目で光学迷彩を行わざるを得なくなった場合、人間の目とCCDとではあまりにも露出が合う範囲が異なるため、光学迷彩スーツ上では現実の背景よりもコントラストの強い映像が表示されてしまう。

もし仮に今後、そういう用途に特化したものすごいチップ、CCDが開発されたとしても、目の前5メートルにいる敵部隊に気づかれないほどの透明人間になることはさすがに無理なのでは。
対スナイパー対策としては通常の迷彩服より有効になるだろうが、至近距離戦闘ではデメリットのほうがどうみても大きいような。
マシンガンの乱射やクレイモア地雷やワイヤートラップには全く無力だし。