吹割の滝〜沼田

先日に書いた「鉄子の旅」に出てきた「地上から486段の階段を降りた地下ホームがある駅」にどうしても行きたくなってしまった。その駅は上越線土合という駅だ。いまは梅雨のはずなんだが、さっぱり雨が降らないどころか真夏日で、いつまた梅雨に戻るかわからないので、我慢できずに出発だ。

列車に乗るのは明日にすることにして、今日は移動日だ。
沼田あたりで上越線に乗って、土合で降りて、階段上りざんまいをしてみようと思う。
よって沼田までひとまずバイクで移動することにする。

出発前に、破損したマフラー取り付けステーの修復をしていたので(あとで書くかも)、出発したのは午後1時だ。圏央道>関越道と退屈な高速道路走行。
なんかケツがムズムズする違和感があるなあとおもったら、そういや空気圧をチェックするのを忘れていた。SAで前後1.8にしてもらう。なにせ2カ月乗っていなかったので、前後ともに1.4まで下がってしまっていた。危ない危ない。
2ストオイルも補充してくるのを忘れていた。警告ランプがついてしまったので、しかたなくSAで、グレード表示("FC"とか)がなく、聞いたこともないメーカーのオイルを仕方なく入れた。


沼田ICを降りたが、まだまだ時間に余裕があるので、地図に載っていた「吹割の滝」というのに寄ってみよう。地図はこちら。
「迫力あるV字の滝。東洋のナイアガラと呼ばれている」らしい。
滝へと下って行く坂道の入口のお土産屋にバイクを止める。店で何かを買ったり食べたりすれば、駐車料は無料とのことだ。
このあたりではかなりの観光名所なのかな? 滝へと下って行く坂道に、ズラリとお土産屋が並んでいる。


なぜかお土産屋の主人が店の前でカラオケで演歌を歌っている。


通り過ぎる人々に見事に無視されているのが切ないです。僕もなんだかいたたまれなくてそのまま通り過ぎてしまったのだが、ちらりと店の張り紙を見たところ、どうやらこのご主人の作詞した曲らしい。

それにしてもお土産屋がズラリと並んでいたり、生演歌が聞こえて来たり、老人会のハイキング同好会が数十人歩いていたりと、なんだか僕が望んでいるような雰囲気ではなさげだ。ていうか率直に言えば、けっこう苦痛だ。

坂を下って行くと、鱒飛の滝が見えてくる。


川が突然にすとんと落ち窪んで行く。近くによるとこんな感じ。


名前の通り、鱒が溯ろうとしても、ここで遮られてしまっていたからこう命名されたらしい。
この辺りは周回遊歩道になっていて、人が少ない平日だったらなかなか面白そうだ。


しかしそれにしても人が多すぎてめげてしまう。遊歩道を歩いて、肝心の吹割の滝が見えるところまできたら、若者の数10人単位の群れが、わらわらーっと集まっている。うーんちょっとギブアップだ。仲間と一緒なら大丈夫だが、一人じゃムリです。人の群れに耐えられません。ていうか耐えられはするだろうけど、そんな求道趣味は僕にはありません!人の群れから逃れたくてバイクに乗ってるのに、なんでわざわざ人の群れに好き好んで入って行かねばならないのか。
結局、そこで引き返してしまった。

そのお土産屋でなにか食おうかな…と首を回していると、店のおばちゃんから「氷かい?」と声をかけられる。声をかけられて初めてかき氷がメニューにあることに気が付いたんだけど…。作るのが簡単で利益率が高いから、かき氷を食わせたいんだろうなあ。
しかしこちらとしても、汗だらだらなので、かき氷はもってこいだ。あずきミルク500円を頼む。
そしてこのかき氷が、えらくうまかった。氷のふわふわさらさら加減がちょうどよい。ぜんぜんジャリジャリしてない。ジャリジャリしたかき氷もそれはそれで味なんだけど、これだけ見事にふわふわさらさらだと、ちょっと感動してしまう。


さてそろそろ沼田に向かうことにしよう。来たときの国道120号をそのまま戻るのはちょっと芸がない。寄り道をしていると、園原湖沿いに「ツーリングイン沼田」という看板が見えた。場所はおそらくこの辺り


おおこれがいわゆるツーリングインか、感じがよかったら泊まってみよう、と思っていたのだが、よくよくみたらどう見ても廃墟になっとる。
入り口のガラスが割れていて、そこから侵入することができる。もちろん僕は割ったりしてないですよ!



捨てられている雑誌を見ると、98年頃に廃業?したみたいな感じだ。あとで調べて見よう。


全体に埃が積もっているし、散らかりまくっているのだが、いちおう雨風はしのげるようだ。特に階下のスペースなら問題無さそう。


まあ、泊まる勇気はとても出ないけど。


そろそろ汗びっしょりになってきた。そこへ「村営しゃくなげの湯」という看板が見えた。そちらに向かう。今年版のツーリングマップルには載っていなかった。
地図はこちら。ちょっとわかりづらいところにあるが、できたてって感じのきれいな施設だ。


時間も18時で夕食もかねているのか、けっこう混んでいた。
湯はアルカリ単純泉とのことだったが、かすかに硫黄っぽい匂いもする。湯温がちょうどよくてたいへん気分がよい。露天風呂は残念ながらあまり展望はない。ずいぶんここでスッキリした。

片品川沿いに走って沼田市街に向かう。もうすっかり夕日の時間だ。

駅前にはきっとホテルがあるだろうと思っていたのだが、ホテルもコンビニもファーストフードもいっさいなかった。こりゃ途中で見た繁華街に戻った方が良さそうだ。
と、駅前でUターンしたところ、ブスブスブス…とエンジンが止まってしまった。再始動しても、しばらくすると同様に繰り返してしまう。
ははーん、こりゃ、以前に水窪でなった症状と同じだな。てことは、その時同様、プラグにカーボンが溜まって、電流がリークしているのかな…。今回はその時の苦い教訓を元に、ちゃんと工具と新品プラグを持ってきてますよ!
駅前の交番の明かりを利用させてもらって、プラグを抜くと、やっぱり予想どおりだった。途中のSAでいれた、怪しい2ストオイルが原因なんじゃないかな。走り方はいつもとちっとも変えてないつもりだったし。
新品プラグに交換したら、あっさり改善した。

沼田市で宿を確保し、飯を食いに出たのだが、なんか見事にご当地っぽい店が無いね。居酒屋やらラーメンやらイタリアンやら…。駅前同様、コンビニやファーストフードやレストランチェーンやパチンコが全然見当たらないのも印象的だった。このくらいの規模の町なら、これらは必ずあるものなのに…。なんでだろう? そのわりに若者は結構多いんだよね。なんだかすごく不思議だった。

ああもうMotoGP決勝が始まってる時間だ。残念ながらG+は見られない。ビデオタイマーをセットしてから出発したので、帰ってから見よう。なんとか結果を知らないように気をつけないと。