4/5 愛媛県宇和島市〜高知県四万十川〜香川県与島PA

朝7:00頃に目覚めて、帰りの計画をそろそろ立てていたときにようやく気がついたのだが、徳島から夜発のフェリーに乗るつもりでいたのだが、これは間違いだった。北九州が夜発で、それが徳島に昼に立ち寄り、翌日の朝に東京に到着するのだった。
となると、今日4日の昼発のフェリーに乗るのは無理だし、では5日昼発のフェリーに乗るならば東京着は6日朝ということになり、5日中に東京に戻るつもりだった予定が崩れてしまう。まあ、朝5時東京着だから、実質的には無いようなものだと思ってもいいんだけど…。なんか気分的にスッキリしない。

そんなわけで、今日の夕方から高速道路に乗って、東京まで自走で帰ろうと計画。
佐田岬に行って、伊予辺りから松山道に乗るコースと、四万十川を巡って、須崎辺りから高知道に乗るコース…の2通りが考えられたのだが、昨日に四万十川源流を見たという縁もあり、四万十川のほうへ向かうことにする。



8:00頃に出発し、昨日来たR320を逆に戻る。昨日はかなり暗くなっていてよくわからなかったが、空は青く、田はみどりで、川は鏡のようで、なかなか開放的で美しい道であった。地図だとこの辺りなのかな。

 


ほとんどの写真は、クリックすればでかいバージョンが別に開きます。



さてここで四万十川周辺へ向かうR381に乗り変わるのだが、駅前辺りで闘牛のポスターを見つけた。


僕は全然知らなかったのだが、宇和島といえばイコール闘牛って勢いなくらいのものらしく、市営の闘牛場がある。そしていま検索して知ったのだが、全国闘牛サミット協議会という組織まであるらしい。
たしかにこのポスターを見ても、大阪から関西龍力ジュニャー号が遠征に来るくらいだし、闘牛都市同士、いろいろ付き合いがあるのであろう。
さらに話はそれるが、先日スペインで、闘牛に反対する動物愛護団体の方々が、なぜか「白いパンティの他にはプラスティックの牛のツノを頭につけただけのいでたち」シュプレヒコールしたらしいのだが、
http://foreign-countries.seesaa.net/article/5153324.html
日本ではそのような反対運動は起きないものだろうか?

さて話を戻して、このポスターを見ると(画像をクリックすると、別ウインドウででかいサイズのが開きます)、先ほどのジュニャー号のみならず、黄金パンダ号やら、ウルトラマン号やら、けったいな四股名の闘牛が多いようだ。



さて四万十川は、このポイントで、R381とR441とに分岐する。どちら側に行くか、かなり迷ったのだが、帰途に着くにはR381方向にいったほうが都合がよい。そうしよう。ただしR441のほうも捨てがたいので、30分ほど走って見ることにする。

そんなわけでまずはR441側に乗ったのだが、河原と道との間に木が茂っていて、ときどきしか川が見えないくらいだ。もっと下流に行けば視界が広がるのかもしれないが、スケジュール的にちょっとな。
さて、河原に降りられるところがあった。

 

うぬう、さすがに「日本最後の清流と呼ばれる」だけのことはあるきれいさだ。のだけど、それでもときどき「昔の美しさを蘇らそう」といった横断幕が川に張られていたりする。へえー。

さてR441側はこのくらいにして、R381側に移動する。こちらは川がよく見えるし、道が広くて良い。
そして四万十川といったら沈下橋だ。風情のある橋だ。車が通るような大きい橋の合間に、ちょこちょこといろいろな場所で沈下橋がかけられている。小型の自動車なら通れないことは無いのだが、基本的には歩行者や2輪車が生活のために、日常的に使っているもののようだ。

 

 

 

そしてやはり、子供は川で遊んでいる。川で泳ぐっていうのは、関東ではあんまり見ない光景だと思う。


  

水面が鏡のようにフラットで、とても流れている川に見えない。段差がついているところでは、白く音を上げて流れていて、確かにこれは川なんだなと思えるのだが、すぐその直前まで、しーんと静まり返った水面のままだ。
ときおり魚が水面で動くと、そこから水の輪がゆっくりと広がっていき、しばらくたっても消えない。魚が水面に出て、波紋が広がる瞬間を撮ろうと思ったが、待ちくたびれてカメラから目を離したときに限って水面に出てくる。3回ほどそれを繰り返してあきらめてしまった。

 

  

今日はこれまでと違って、天気が安定して、気持ちよく晴れている。せっかくならこの天気が2日前から続いてくれればよかったのに…。

いろいろ写真を撮っていたら、池谷理香子の漫画に出てきそうな感じのきれいな姉妹に、シャッターを押してくださいと声をかけられた。歳は離れているようだが、姉妹であることが一目でわかる、おんなじ顔をしている。僕が昔使ったことがあるサンヨーのデジカメの後継機だった。逆光なのでデーライトシンクロしてあげると喜ばれた。すぐ結果がわかるからデジカメっていいね。
話を聞いたところ、19歳の姉のほうが免許を取ったばかりで、車の運転の練習がてら高知からドライブしてきたらしい。12歳の妹のほうが東京に興味しんしんで、いろいろ話を聞きだそうとするのだが、僕がTDLに行ったことがないと知ると、腰を抜かさんばかりに驚いていたのが印象的であった。姉のほうは、子供の頃から何度も来ているところだけど、自分で運転してくると感動が全然違うと語っていて、大いに共感した。今日は適度に雲があって風が無くて、水面に移る雲がきれいだから、東京からわざわざ四国に来て、今日ここにこれたのは幸せ者ですよ、とのことだった。
いまにして思えば、モデルになってもらって何枚か撮らせてもらえばよかった。なんで忘れてたんだろ。



そろそろ正午になるし、帰りの高速道路入口のある須崎に向かおう。予土線という電車と並んでR381を東に向かう。その後R56に移り、須崎に向かう。開放感のある気持ちのよい道なのだが、途中でダンプの集団に取り囲まれてしまった。
国道の脇で、おばちゃんがパラソルハットの下で、アイスクリンを売っているのを見て、これが高知名物アイスクリンか!と思ったのだが、ダンプの集団から抜け出て止まるタイミングを逸してしまって残念だった。
イメージ検索したら、シチュエーションは海なんだけど出てきました。こんな感じのものです。

http://0bbs.jp/pla002896/img104_1



途中で、このような喫茶店を発見してしまった。


喫茶・軽食 SUPER INVADERSらしいのだが…。70年代後半からずっとこの店名でがんばってきたのかね。感慨深いなあ。昔はインベーダー喫茶だったのかな。ていうかいいのかねこのキャラ勝手に使って。



さて七子峠というところに至ると、視界下方の谷の向こうに、うっすらと海が見えてくる。おおー。気分が盛り上がりますね。地図はこちら。


ぜひあそこまで行ってみよう。地図を見ると、久礼湾とか安和海岸の辺りかな。
というわけで14:15ごろ、安和海岸に立ち寄った。地図はこちら

 

写真を撮っていると、3輪スクーターに乗っていた、漁師っぽい雰囲気の中年男性に声を掛けられた。国道を通ってきたと言うと、写真を撮るなら海岸沿いのこの道(と言って振り向いて県道320を指差す)のほうが断然きれいだよ。昔は旧道だった道だし、走りづらいことはないからぜひいくといいよとのこと。
ところで大樟は見たかい? と聞かれる。いや見ていない、知りませんでしたと答えると、この辺りまで来たのなら、大樟を見ないでいるわけにはいかないよ、屋久島の縄文杉より古いんだから。あっちはせいぜい3000年程度でしょ? 急ぐ旅でないならぜひ見るべきだよ。と、なんだか異様に縄文杉に対して、対抗意識を燃やしておられる。地図には載ってないんだけど、どこにあるんですかと訊くと、あっちの島のほうだよ、と言って、野見崎の辺りを指差す。地図はこちら。こりゃまたアバウトだな。まあ案内看板とか出ているだろうし、あとで行ってみよう。

そして確かに、地図でいうとこの辺りの海岸のほうが、絵になる風景でありました。この辺りを通る方は、時間に余裕があるなら、国道のトンネルを通るより気分良く走れると思います。

 

  



いつのまにか15時近くになっていてずいぶん腹が減った。そこへ「カツオの叩き定食」というノボリの上がったドライブインがあった。カツオの叩きですか、土佐っぽいな、まあここでいいかと思って店に入ろうとしたら、なんとこの店、レストハウス 琵琶湖というのだ。なぜ土佐湾に面して展望も開けているこの土地で、よりによって店名が「琵琶湖」なのだろうか? これはもうこの店に入るしかない!

あまりに動揺したのか、店の外観写真を撮り忘れてしまった。検索しても
http://www.the-fuji.com/fcard/yutai/restaurant_s.asp
こちらの中の「味の須崎黒潮会」に加わっていることがわかる程度しかヒットしなかった。

食事を待つ間、テラスに出て、先ほどまで写真を撮っていた安和海岸のあたりを見下ろす。


さて出来上がってくると、たっぷりのネギとニンニクがさすがって感じだ。


感動するほどではなかったけど、さすがにうまかったです。カツオよりむしろ、添えられていたカブがスッキリと甘くてたいへんうまくて感動した。



先ほどの男性に薦められた大樟を見に行こう。男性は「このあたり」と、遠くに見える半島を指差すという、非常にアバウトなことしか教えてくれなかった。まあこっち方面にいってみりゃなんとかなるだろ。
と思って、この半島の先端の中ノ島に向かって走ってみたのだが、まったくなにも看板とかインフォメーションが無い…。


看板に注意を配りながら走っていたところ、このような看板を発見してしまった。


ぺっと捨てないで 地球をヨンごさない。」と、ヨン様らしき人物が訴えかけているようなのだ。この「ぺっと」は「ペットボトル」のことならば、普通にカタカナで「ペット」と書くだろうに、わざわざひらがなで「ぺっと」と書いているということは、この部分も何かのシャレになっているのだろうか? 例えば「ぽいっと」を意味する地元の方言で「ぺっと」というのがあるとか…。

とうとうなにも有力情報が得られないまま、半島の先端の中ノ島まで到達してしまった。中ノ島から半島に橋を渡って戻ってゆく。


もう16時を大きく過ぎていたし、もうあきらめよう。帰りは市街に向かうバイパスを通っていると、それらしき標識を突然発見した。

とうとう見つけた。さっそく行ってみると、須賀神社というところにその大樟はあった。国の天然記念物らしい。ツーリングマップルにもmapfanにも載っていないのだが…。地図はこちら。情報はこちらをご参照あれ。
http://www.moritomidori.com/meiboku/meiboku.htm

  

幹の太さを表現するため、境内で野球をしていた子供に、木の前で写真を撮らせてよと頼んだのだが、妙に照れくさがって撮らせてくれなかった。
しかし案内板や、上記にリンクした情報で見ると、樹齢は推定2000年ということになっているのだが、さきほどの男性は屋久杉に対して「あっちはせいぜい3000年程度でしょ?」などと対抗心を燃やしていたようなのだが…。
いま調べてみたら、屋久杉でも樹齢3000年クラスのものはまれらしく、だいたい樹齢1000年クラスらしい。というより、樹齢1000年を越えないと「屋久杉」とは呼ばれないらしい。
そう考えたら、樹齢2000年のこの樟を男性が誇りに思うのも、もっともな感じだ。



もう17時だ。そろそろ帰途に着くために須崎東ICから高速道路に乗る。ここでこのまま帰るのは面白くない。途中で瀬戸大橋の間にある、与島PAで海に沈む夕日を眺めてみようではないかと思い立つ。
このルートを選ぶと、帰宅までは852.1kmの距離だ。上等だ。
須崎から与島PAまでは147.5kmなので、たぶんギリギリな時間に到着するだろう。

豊浜SAに至った頃には、かなり日は沈んできていた。


瀬戸大橋に乗ると、夕日に照らされる島々がたいへん美しい。写真に撮りたいが停車できるところが無いのが残念だ。

19:10に与島PAに到着。日の入りには間に合ったはずなんだが、日の沈むはずの地点はすっかり雲に覆われてしまっていて残念だ。

 

とはいってもなんだかんだ言って、30分ほど暗くなるまでねばった。

 

 



さてこれからどうしようか。
ここからノンストップで走っても9時間近くかかる距離だし、途中で宿泊してもいいのかもしれない。しかしなんとなく、このまま帰宅することにこだわりたくなってしまった。途中で仮眠をとればいいや。今の季節だったら寒くて困るということはまず無いし、万が一止まるところが見つからなくて、駅寝とかすることになったときに備えて、エアマットと虫除けスプレーは持ってきていたし。よし決めた。
この与島PAは、あまり人がいなくて居心地がよかったので、そんな計画を立てながら、いつのまにか2時間近くたってしまっていた。