キーボードをタイプする音からキーロガー!

今月号のアスキーのアーサー・C・カイルのコラムを読んでいたら(P52)、キーボードをタイプする「カタ、カタ」をいう音から、どのキーを押されたかを判定するという、思いもよらなかったハッキング手法が紹介されていた。

サウンドを処理することで、その精度は"文字で60%、単語で20%"に達するとのことである。その後、テキストに対して文法チェックやスペルチェックを実施し、その制度を文字で70%、単語で50%にまで改善される。(中略)3回のフィードバックループによって、その精度は単語で88%、文字で96%にまで達する。
いやこれはほんとに盲点でした。確かにいま手元にある3種類のキーボードのキーをいろいろ叩いてみたら、たしかに各キーによって音程や音質が異なって、しかも弱く叩いても強く叩いても、固有のアタック音の癖がちゃんと聞き分けられる。いままで意識したことも無かったのだが。
かなり昔、CRTディスプレイから発せられる電磁波を拾って、遠方からディスプレイの内容をハッキングする…という話を聞いたことがあったのだが、これはそれ以上に原始的かつ効果的だ。
マシンに搭載されている何らかのオーディオデバイス(ノートPCに組み込まれているマイクロフォンなど)を利用して、タイピング音を記録するマルウェアが登場する日もそれほど遠くないのかもしれない。
という指摘も、なるほどといった感じだ。

そのアスキーの記事で紹介されていた、元記事はこちら。
http://www.berkeley.edu/news/media/releases/2005/09/14_key.shtml
意外なことに、この手のニュースが好きそうなスラッシュドットWIREDでも紹介されていなかったようだ。

日本語の場合は、同音異義語の問題や、単語がスペースで区切られていないという特徴があるから、アルファベットベースの言語ほど解読率は上がらないだろうけど…。
実用性はともかく、この発想には眼から鱗だった。