G+スタッフインタビュー

サイクルサウンズ誌で、G+のMotoGPスタッフのインタビューがあった。(P64)
いろいろ不満を言っていた僕なのだが、やっぱりあちらもあちらで苦労しているんだなー。あちらの立場にたってみれば、なるほどと思われることもあり。

渡辺:MotoGPは地上波とG+でうまく分けられたらいいなとは思いますね。思いっきりマニアックにするとか。
寺島:地上派の役割で重要なのは、スポーツとしてMotoGPは面白い、素晴らしいということを伝えること、そして一緒に楽しんでもらうことです。そのためには、初歩的なことを何度も繰り返し伝えていかなくちゃいけない。
一方、G+はいままでの知識の上に最新のことを知りたくて観ている人もいますので、その期待にも応えなくちゃいけない。となると、相反する話の方向を行ったりきたりするというジレンマもあります。
基本的なことを繰り返し伝えてスポーツとしての面白さを表現しつつ、難しい言葉をパッと言ったときにも、「それって何? 知りたい」と興味を持ってもらえる実況ができればなと思います。これは宿題ですね。
地上派では、チャンネルを変える中でポンと入ってくるので、何か引き付けるものが無いといけないですからね。バイクは好きだけどレースは知らなかったっていう人だったり…
言わんとすることはわかるし賛成するのだけど、そもそも「スポーツとしての面白さ」が「基本的なことを繰り返し伝え」なければ、一見の視聴者に伝わらないものなのか?という疑問が生じてしまう。
一見の視聴者の興味をひきつけるのは、いま現在の状況が、どう凄いのかというインフォメーションではなかろうか。

僕はサッカーにほとんど知識が無くて、TV中継をたまたま見ていても、そのプレーの凄さがどう凄いのか価値がわからなかったりするんだが、スローモーションで解説されると、ほほう、なるほど、この選手はあたかも上空から俯瞰しているかのように、あえてこの選手にパスを送った、その判断力が凄いのだね…などと納得できたりするものだ。
その選手のパーソナリティ自体への興味なんて一見の視聴者はたいして気にしない。一見の視聴者が気にするのは、今起こっている状況がいかに魅力的であるか否かだ。各選手のパーソナリティへの興味は、その先に芽生えてくるものではないだろうか。

何度もしつこく言って恐縮なんだが、TVに映らない順位変動を、なんとか伝えて欲しいのだが。正直、日本人ライダーはあまりTVに映らない順位を走っていることが多いので、そのインフォメーションを的確なタイミングで視聴者に流すということは、一見の「チャンネルを変える中でポンと入って」来た人をひきつけることにも繋がるし。

僕はまさしく「バイクは好きだけどレースは知らなかった」人で、いや「知らなかった」というと言いすぎだ。「あまり見たこと無かったので興味が無かった」というのが正しい。
もともとTVはほとんど観ないほうだし、バイクレースは普通に起きている時間帯に放送していないことが多かったし。
僕がWGPを観始めたのは、バイク用品店で、250の加藤大治郎VS原田哲也のビデオが流れていて、それをたまたま観たのがきっかけだった。小柄な日本人が二人で綺麗なフォームでバトルしていて、ビデオ内のインタビューで「加藤君とは安心してバトルができる」みたいな原田のインタビューをみて、これはめちゃくちゃカッコいい奴らだ、と思ったのだ。
バイク雑誌クラブマンとかバイカーズステーションとかを読んでいて、少量だけどレース記事も載っていたのに、なぜかほとんどレースには興味が湧かなかった。やっぱり映像の力っていうのは凄い。解説は映像を引き立てて+αするためのものであって、それが主役だと勘違いしてはいけない。