ヤングアニマルの「デトロイト・メタル・シティ」が面白すぎる

ほんとは僕にとっての最上級の褒め言葉「くだらなすぎる」と書きたかったのだけど、ほんとに批判していると思われたら嫌なので断念。いやコレ、もう最高にくだらなすぎで素晴らしいです。

最近は漫画を読んでいても、例えば吉田戦車の「フロマンガ」で、おっ、やるな?!とニヤリとしたり、アフタヌーンカラスヤサトシで、プッと噴き出したりはするのだけど、本当に思わずハハハハと声を出して笑ってしまったのはこの漫画くらいだ。電車の中で読まなくてよかった。
作者の若杉公徳、以前からヤングアニマルで連載を持っていたような記憶があったのだけど、たしかアマレスのギャグだっけ?としか思い出せないくらいに印象が薄かったんだが、この漫画で一気に本領発揮って感じだ。ツッコミどころの配置加減が絶妙なんだよね。DMCのファンの観客のリアクションが、読者が予想していなかったところから出てくるのがたまりません。DMCと観客双方、別角度から読者はツッコめるのだ。

今週は全編くだらなさに満ち溢れていて素晴らしかったが、特にクラウザー(根岸)とジャックとの「日米ファック対決」が始まってから、「クラウザーさんが0.5ファック勝ったぞ!」に至る2ページが、神がかったくだらなさだった。くだらないもの嫌いは読むべきではないが、くだらなすぎなもの好きはぜひ読むべき。

ところでこの「帝王ジャック」は、たぶんオジー・オズボーンあたりがモデルだと思うのだが、そういえばどんな音楽やってるのかほとんど聴いたことないなあ。コウモリ食ったとかいう話くらいしか印象に残ってないや。
中2のころ、半年間くらいハードなロックを集中して聴いていた時期があったのだけど、そういえばそのときにブラック・サバスをレンタルで借りたような気もしないでもないが、良く覚えていない。

それよりもいまだに良く覚えているのは、坊主頭(校則)の田舎の中学2年生のころ、バイパス沿いの、薄暗い、こじんまりとしたレンタルレコード屋(チェーン店では無い)に雪の降る中、ガラリとドアを開けて入ったところ、レジで大学生のバイトらしき店員が彼女といちゃついていて、けれど平然と「らっしゃい!」と僕を出迎えて、僕も平然を装いジューダス・プリーストを返却しつつAC/DCを借りレジに行ったところ、
ボク、この雪の降る中大変だったね、コレあげるよ。よかったら食べて」と言って、お釣りとともに熊谷銘菓 五家宝をくれたという思い出だ。AC/DC五家宝の取り合わせ…。なかなかスゴイではないか。洋楽を聴いてる俺ってもしかしてススんでる?などと中二病めいていた僕の目を覚ましてくれた事件であった。