RAW現像ソフト RawShooter essentials

フリーで優秀なRawShooter essentialsというRAW現像ソフトがあるという噂を聞き、さっそく入手してきた。
より高機能な製品版もあるのだが、使用制限なし・機能限定ありのフリー版があるのだ。
こちらがダウンロードページです。
うれしいことに日本語化パッチもあります。
導入解説ページはこちらがわかりやすかったかな。

機能限定ありとはいっても、SilkyPixのフリー版とは異なり、重要なパラメータはちゃんとアクセスできる。それどころかPhotoShop Elements + Camera RAWより高機能だ。バッチ処理ももちろん可能。
以前に、Silkypixを導入したときにも書いたのだけど、僕は写真で芸術作品を作りたいわけじゃなく、ツーリングの記録がメインの使用用途なので、画質にはあんまり細かい注文は出さず、導入コストが安くて生産性が高いほうを重視したいのだ。

動作も軽く、操作系はかなり好みだ。特にレベル補正を、露光値 + ハイライト側コントラスト + シャドー側コントラスト、という概念で調整するのが、非常に実戦的で気に入った。トーンカーブを使うより、手早く手堅く好みのコントラストに持っていける。
SilkyPixの製品版にも無い、現像結果をそのまま任意のアプリ(Photoshopとか)にエクスポートできるのも便利だ。
カメラごとに、各種パラメータの初期設定を設定できるのは、他のRAW現像ソフトと同じなのだけど、RawShooterが気の利いているのは、撮影した画像のISO設定ごとに、ノイズリダクションや偽色抑制のバイアス値を変えられるのだ。この方法なら、設定テンプレートを選んで適用するより早くて確実だ。
ちょっと残念なのが、レンズIDごとにもバイアス値が決められたら、最高に便利だったんだが。例えば、SIGMAの18-50 F2.8とPENTAXの43mm limtedとでは、まったく色調もコントラストも異なるレンズなので。

さて、手持ちの他のRAW現像ソフトと比較をしてみることにした。
撮影したときのままの色温度で、設定を全てデフォルトで現像してみた。
JPEG圧縮は、RawShooterの"High"設定で保存したデータサイズに近づくように、他の2本の圧縮率を調整した。
左から、Camera RAW 3.3、RawShooter、Silkypixです。
クリックすると、上記の設定で現像したままの、ノーリサイズのものが別ウインドウで開きます(680KBほど)。

  

背景のグレーのところを見ると、なるほど同じ色温度なんだなという感じなのだが、花や葉の色はぜんぜん別物ですね。RawShooterはスッキリサッパリ、Silkypixはクッキリ鮮やか、Camera RAWはその中間、と言ったところか。
僕としてはCamera RAWの結果が一番好きなんだが、とはいっても、RAW現像ソフトで、デフォルトの色調を云々してもあんまり意味無いような。自分の好みになるようにデフォルト値を調整すればいいんだし(そういう問題じゃないのかな?よくわからん)。
それよりも、上述した、RawShooterの直感的なレベル補正がもたらす生産性の高さはすごく魅力だ。ツーリング後、記憶が新しいうちに、ザクザクとイメージどおりに現像したいので…。

あと、ちょっと不思議なのは、現像結果のサイズが、Camera RAWとSilkypixは純正と同じ3008*2008ピクセルなんだが、RawShooterでは3038*2022ピクセルとなっている。純正は、CCDの端っこのほうは使わないようにしているんだろうか?
そういえば、PENTAX純正のRAW現像ソフトも比較対象に入れようと思ったが、あれ、あまりに使えないからアンインストールしちゃったのだよね…。CDを探すのがめんどくさくなってしまって、やめた。

RawShooterで、自分の好みになるように各種調整すると、以下のような感じです。


別に意識したわけじゃないんだけど、Camera RAWの結果に似ている。
うーん、これはSilkypixからこちらに乗り換えてしまうかもしれない。近々ツーリングに行くつもりなので、その現像をしてみて実戦の使い勝手を調べてみよう。