あざやか / 空気公団

あざやか

あざやか

ああ、地に足が着いてしまったなあ、という第一印象。
浮き上がろう、浮き上がろう、とする、声やコーラスや演奏を、ドッタンバッタンとしたドラムが心地よく抑えていく、体重とほとんどギリギリの浮力を持つ風船を背中につけているかのような、踵が浮いてつま先ぴょこぴょこな浮遊感(いま頭の中で鳴ってるのは「旅をしませんか」)が、僕が空気公団に感じていて、新作でも期待していた特徴であり美点であるのだけど、そのような特徴は鳴りをひそめている。声もコーラスも演奏もしっかりと地に足をつけていて、なのでドラムも彼らを抑える必要は無いので、あるべきバランスでまっとうにアンサンブルの中で存在している。

時間を置いて何度か聴き返すことで、自分の期待、空気公団はこう「あるべき」という期待が自然に剥がれ落ちていって、空気公団はこう「ある」、現時点では、と、ひとまず素直に受け入れられるようになるのかもしれない。
自分の期待とは異なっていたからといって、非難したり批判したりするつもりは無いのだけど、いまはただただ戸惑っているのは明らかな事実だ。こればっかりは自分に嘘をつくわけには行かない。現時点では。