パウル・クレー展

2/9から月末までの、大丸ミュージアムでのクレー展に行ってきた。

パウル・クレー展 ― 線と色彩 ―

僕がクレーを見て、いいなあと思うのは、線と面と(水彩での)色彩の連なりなので、この「線と色彩」っていうテーマには心ひかれるものがあった。
例によって何が出展されるのかなど前情報無しに行ったのだが、ちょっと個人的にはガックリであった。僕の好きな、線!面!水彩!ものが、思ったよりぜんぜん少ない…。

クレーの油彩の、太い線で、古代壁画みたいにグイグイ描いているやつって、どうも昔からよくわからない。良し悪しではなく(そもそも良し悪しには興味ないし…)好き嫌いでもなく、「よくわからない」としか言いようが無い。眼に入ったものがそのまま後頭部に通り抜けて行ってしまう感じ。
もしかしたら生で見たら、ぜんぜん印象が異なるのかもしれない! と思っていたのだが、生で見ても、やっぱり、よくわからないままであった。
画面の中では、面を区切ったり縁取ったりする「線」としての機能より、あきらかに「面」と同様の取り扱いをされている。あれだけ太くグイグイ描かれたら、もう線ではなくて、細長い面、って扱いだ。

そんなわけで、「線と色彩」というテーマを読んで、期待してしまっていた内容とは異なり、ちょっとガックリなのであった。

そんな中で、チュニジア旅行ものが一番印象的だった。いま図録を見返しているのだけど、印刷ではいまいちわからない奥行き感がよい。水彩でザッ、ザッと面どられているのだけど、なんでこんなに奥行きを感じるんだろう。動き出そうとする量感を感じさせる面と、静止している塊感を感じさせる面のコントラストなのかな? 特に「山腹」とか「石切り場にて」とか。
僕はとりあえず会場全体をざーっと眺めてから、気に留まったところに引き返してじっくり眺める派なのだが、もう何遍もこの場所に戻って立ち止まってしまった。

追記:「忘れっぽい天使」図柄のTシャツを売っていて、ここで忘れっぽい天使を選ぶのはちょっとベタすぎるよな、とは思ったのだが、Lサイズを買ってきた。
そのままついさっきまで放置していたのだが、思い出して着てみたら、Lサイズだってのにかなりパッツンパッツンであった。どうも女性のLのようだ。特にそのようなことはなんにも書かれていなかったような気がするんだが。うわー失敗した。これから行く方は注意しましょう。