日本平〜駿河湾フェリー〜万城の滝〜スカイライン3連発

朝8:45に清水市を出発。ロシアンツーリングで決まった目的地である、ツーリングマップル関東甲信越の、6P-I-3地点へ向かう。この地点にある道路は、海岸沿いの国道150号と、日本平パークウェイの一部、の2本なのだが、天気もいいことだし、富士山が拝めそうな日本平へと向かうことにする。

日本平パークウェイは、僕が持っているカーナビの5年前のROMでは有料道路ということになっているのだけど、償却終了したのか、無料で普通に通れた。
交通アクセスがよくて、走りがいのある道なので、関東で言うところの奥多摩みたいな存在なのか、いいペースで走っているバイクや車が多かった。奥多摩よりマナーもよかった。
さてここが、日本平パークウェイ上の6P-I-3ポイントだ。


残念ながらほとんど展望の無い、コーナーの途中の駐車場であった。これで今回の目的は果たせた。



そのまま日本平の頂上の展望台へと向かう。ここは、日本の景勝地の中で、第1位という評判のところらしいのだ。

 

とはいってもそれはかなり昔の話だろう。今では頂上にテレビ塔が林立していて目障りだし、各種施設が建ってしまったため、視界360度というわけではなくなっている。


東展望台で写真を撮っていたところ、シャッターを切ってくれますかと、ニコンのF100(フィルムの一眼レフ)を手渡された。撮った後、反射的に裏蓋を見てしまった自分に笑ってしまった。
ところで、この展望台には、謎の落書きがされてあった。


なぜこんなところで海原雄山なんだよ。何のつながりがあるんだ?

 

これは早咲きの桜なのかな? 通路脇に一本しか植えて無いので、もったいないなあと思った。



地図を見て「三保の松原 白砂青松100選」という海岸に向かうことにする。しかし海岸近くの駐車場に近づくと、車がずらっと並んでいて、かなり混雑しているようだ。
なので混雑を避け、三保灯台のある海岸に向かう。地図はこのあたり
こちらはスカスカに空いていて好感度大。ゴミとかがあんまり落ちていないのも偉い。
ラジコン飛行機を飛ばしていたり、子供が凧を上げていたり、野球部が砂浜ランニングをしていたりで、なかなか好みな雰囲気のところだ。

 

すると、派手な船が目の前を通り過ぎて行った。おそらくフェリーっぽい。地図を見ると、清水港から伊豆半島の下田に向かうテクノスーパーライナーか、土肥に向かう駿河湾フェリーのどちらからしい。

 

よし決めた。次はフェリーに乗って伊豆へ向かうことにする。
先程の野球部のバスと一緒に出発した。どうやら清水東高校というところらしかった。



清水港のフェリー乗り場に着くと「フェリー乗るの? すぐ出発だよ! 切符は中で買えばいいよ!」と声をかけられる。そもそもこのフェリーは下田と土肥のどちらにいくものなのかもわからない。聞くと「下田に向かう便はないよ!」と言われたのだが、本当か?
フェリー乗り場で待っている間に、口直しに桜海老丼でも探して食おうと思っていたのだが。せっかくなのでこの駿河湾フェリーに乗ることにする。
そういえば、バイクではもう10回くらいフェリーを使っているのだが、車では初めてだ。
僕が乗ったとたん、入口を閉めてしまった。本当に出港ギリギリだったようだ。

  

 

約1時間の航海だ。富士山を横目に見ながらフェリーは進んで行く。
昔なつかしい、中まで火が通っているタコ焼きを食いながら、次の予定を立てる。
土肥から東に向かって走り、伊豆スカイライン芦ノ湖スカイライン>山中湖>道志みち、というルートで帰宅することに決めた。
しかしフェリー代、車で5300円ということは、250cc以下のバイクではけっこう安いだろうな。高速道路代と比べれば高いが、渋滞知らずだし、短時間でショートカットするには、これは便利だろう。けっこうコストパフォーマンス高いかも。



土肥に到着してから気づいたのだが、そろそろガソリンがやばいことになっていた。なので地図にガソリンスタンドが明記されている、南方面へまず向かう。どうせ東に向かうなら、国道136よりも県道59を利用するほうが、走って楽しい道っぽいので、そのルートをとることにする。
その途中「究極のそば」などという、挑戦的な看板を発見した。


実は港近辺にある食堂で、特産の何かを食べてみようと思っていたのだが、こんな挑戦を受けたら黙っていられない。究極のそばを食べに行く。
4人掛けのテーブルが2つ+カウンターと、こじんまりしていて、メニューは1200円のもりそばのみという、かなりハードコアな蕎麦屋だ。

 

僕のほかには悠々自適っぽい年齢のご夫婦がいた。頑固親父系の店主は蕎麦を出す際に
「わさびはつゆに溶いちゃ駄目ですよ。蕎麦にちょっとつけて食べるようにしてください」
と語っていた。僕もなにかの本で読んで以来、いつもそうしている。たしかにこのほうがつゆの味がストレートに伝わってくるのだ。しかし実際に店主から客に対してこう言っているのを見たのは初めてだ。
さて僕にも究極のそばが到着しました。


蕎麦だけまず食べてみると、蕎麦の味や香りはありつつも、雑味がぜんぜん無い印象。ものすごく上品。つゆはなにかの「節」中心の、辛くもなく甘くもないもの。これまた雑な印象が皆無で、ものすごく上品なうまさだ。
それはいいのだが、僕が蕎麦に感じている魅力は、こちらの店主が「雑」と切り捨てようとしている要素なのではないかという感じがする。
いままで味に男性的、とか女性的、とか感じたことはないのだけど、このたおやかな感じ、ああ女性的ってこういうんだな、と思った。
すごく端正で上品なのはわかるし、今まで食ったこの系統の蕎麦の中では、究極かどうか知らないが一番驚いたのだけど、僕は蕎麦にこれほどの端正や上品を求めていないのだ。もっとどこか尖った、ゴツゴツした男性的なところがあって欲しい気がする。
しかし上品な蕎麦が好きな人は、ぜひ食べて見る価値ありだと思う。
そういえば伊豆はワサビどころであるためか、ワサビも実に印象的だった。ピリっと味を引き締めるのだけど、鼻にツンと抜けていく嫌な感じがしない。たぶん擦りおろしてから、あえて時間を置いているのではないかな。この蕎麦の上品さとマッチしていて印象的だった。



宇久須から県道410に乗って東の仁科峠に向かう。仁科峠は「凍結注意」と案内板が出されていたが、まったく路面に問題なかった。
交通量も少なく、走って楽しい道だ。気温も高いので窓を開けているくらいだ。バイクで来ればよかったとつくづく思う。

仁科峠には、西天城高原牧場というのがあるらしい。牛だか馬だか羊だか分からないが、牧場の写真を撮れたらいいなと期待していた。
しかし残念ながら、どういうわけか牧場にはまったく動物も人影もなかった。


こちらにはキャンプ場もあり、開放的な雰囲気の、なかなかよいロケーションであった。設備過剰な感じもなく、好感のもてる場所だった。

ここから県道59号に乗り、伊豆スカイラインに向かう。途中で数100メートルだけ、国道414に乗って、湯ヶ島の温泉街を抜けなければならなかったのだが、これがかなりの渋滞であった。
再び県道59に戻る。道は狭く、すれ違う車が多い。そしてなぜかどの対向車もブレーキが遅く、突っ込みぎみだ。妙にセンターに寄っていたりもするし、なんだかあぶなっかしい。



次の目的地は、地図で目を付けていた、万城の滝だ。解説によると「滝の裏側にまわれる」とのことだ。わかるようなわからないような解説だ。滝の裏側が洞窟になっていたりするのかな。なんか秘密基地っぽくていいね。ということでここに向かった。地図はこちら

かなり勢いよく飛び出ている滝だ。滝の裏側が大きくえぐれているのと相俟って、なるほどこれなら滝の裏側に回れそうだ。
写真で滝の大きさを対比させて表現するため、遊歩道に誰か来てくれたらよいのにな、と思っていたら、ドヤドヤと老人会っぽい雰囲気の集団が滝壺に向かって来た。
ラッキーと思ったのだが、あまりにも勢いのある滝と、濡れた足元に恐れをなしたのか、皆さん遊歩道まで降りて来てくれない。残念だ。

 

さて滝の裏側にまわるには、分岐する遊歩道を回って行けばよい。崩落しているとのことで注意書きが出ているのだが、自己責任ということで、そちらに向かう。結局、足元もしっかりしているし、たいした問題ではなかった。あくまで自己責任ですよ


滝の裏側に回ると、目の前1メートルくらいのところを、かなりの勢いで滝が壁のように落ちていて、これはなかなかすごい。あまりに近すぎて、レンズを一番広角(28mm相当)にしても入りきらなかったので、縦4枚を横にスティッチしています。カメラびしょびしょ。


早く遊歩道を直して、堂々と誰もが見られるようにすればよいのに。これはいいもんを見させてもらった。



伊豆スカイラインとの合流地点近くまで行くと、「万天の湯」という温泉があるという看板が出ていた。そういえば今回はまだ一度も温泉に入っていない。ぜひ行くことにする。地図はこちら

 

山の頂上にあって、富士山を遠望できるという、かなりよいシチュエーションだ。男湯からはテニスコート越しに富士山がはっきり見える。
この日は早稲田のテニスサークルがいたのだが、逆にテニスコートから男湯は丸見えなんじゃないかと思う。3人ほどが入れそうな露天風呂もあったのだが、ここなんか立ち上がったら、完璧に丸見えだったろう。


塩素で消毒しているとのことだが、ほとんどそんな臭いは感じなかったし、お勧めだ。
しかし残念なことに、3/26で休業するとの張り紙が出ていた。




ツーリングスポットとして有名な伊豆スカイラインなのだが、今まで走ったことがなかった。あまりに有名が故に、混雑していて、早朝くらいしか気持ち良く走れないだろうと予想していたのだ。
しかし夕方であるためか、上り線でもかなり空いていて、かなり気持ち良く走れた。まだ気温は低めだったが、バイクだったらさぞかし楽しかっただろうな。

 

途中で、駿河湾(?)への日没が見られた。撮影していると、見る見るうちに太陽の高さが下がって行く。
太陽が半分山の向こうに沈んでいき、さらに沈んで山頂に赤い光がポツンと残り、そこからはスイッチを切ったように、急に光がフッと消えていった。いいもんを見させてもらった。


 

日が沈むと、本格的に帰宅ラッシュが始まったのか、交通量が増えてきた。それでもバスなどのノロノロ運転車がいないので、快調に流れている。

 

終点で料金を払おうとしたら、ICではないところから入ったため、通行券を持っていなかったので怒られた。そんなこと言われたって普通に入れちゃうんだから知らないよ。



この頃にはもう真っ暗だ。そんななかを県道20芦ノ湖スカイライン箱根スカイラインと乗り換えて行く。もうすっかり暗くなっているが、交通量もほとんど無くて快適に運転できる。伊豆スカイラインからここまでの流れは、ボリュームたっぷりで、コーナーのバリエーションも多く、十分堪能できた。太陽が出ていて空いている時に、ぜひもう一度バイクで走りたいね。

あとは国道138国道413の道志みちと、いつものコースを通る。なんとなくまだ走り足りないので高速は乗らない。
ラジオをつけたらちょうどWBCの日韓戦をやっていて、野球に詳しくない僕でも、かなり面白かった。山中湖を過ぎてから電波状態が悪くなってしまい、キャンプ場が密集している地帯でようやく電波が回復したのだが、その間にイ・スンヨプの2ランで逆転されてしまっていた。
野球は投手と打者の1対1の勝負から展開するスポーツなので、焦点が明確で、言葉から動作のイメージがしやすくて、ラジオ向けのスポーツだな、などと思いつつ、気持ち良く道志みちを走って帰宅した。