昔のサンレコを読み返したら面白かった

10数年前のサンレコことサウンド&レコーディングマガジンをいろいろ読み返していたら、これが昨今の号よりも断然におもしろかった。
最近のって、製品のレビュー記事はあっても、例えば各エフェクトの動作原理とか、各パラメータの役割について突っ込んだ記事ってあんまりない。
原理を知るということは、すなわち応用が効くということで、応用が利くということは、すなわち融通が利くということで、融通が利くということは、限られた条件の中で最良の結果を発揮できるということなわけだ。話を逆転するならば、限られた条件の中でそれなりの結果を出すためには、それなりに原理を理解する必要があるわけだ。
基本からコツコツと学んでいこうという人には、物足りなくないのかなあ。EQやコンプすらプラグインでプリセットを選んでしまえる昨今、そもそも「基本からコツコツ」という発想も薄れてしまうのだろうか。

使ったこともない機材を雑誌のレビューだけを読んでイイだのワルイだの言ったり、プリセットでしか使ったことがない機材をイイだのワルイだの言う人って昔からいたもんだが、最近はますます増えてしまったのではないかと予想してしまう。

10数年前はまだハードウェア時代だったので、パッチングによるエフェクトのバリエーションの記事が時々あるのだが、現代でも応用できるところはいろいろある。しかも昔は試してみたくても、実際にエフェクタを多数持っていなければ、試すこともできなかったんだが、現代ではソフト上でマウスでちょちょいで、いくらでもトライアル&エラーできる。フリーのプラグインもいろいろあるし。
それなのに昨今の特集に、パッチングによるエフェクトの応用の記事がほぼ皆無って言うのは寂しい限りだ。