WRC PSP版

泊まり込むほどではないが、帰宅したら風呂入って寝るだけの日々。通勤時間を活用しようと、立っている時はPSPで取りためた動画を見て(いまは先日のHERO'S)、座れたらゲームをやっている。

WRC - PSP

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ソフトはこのWRCバイトヘル2000しか持っていない。なんだかすごい取り合わせだな。
以下は、一番簡単なノービスクラスでのチャンピオンシップを始めたばかりの段階での感想です。もしかしたら難易度を上げると出現する要素が含まれているのかも。

まず基本的な挙動として、PS2での初代WRCにも感じていた印象なのだが、ステアリングを切ると、フロントタイヤがコーナリングフォースを発生した結果、車体がフロントに引っ張られて旋回する…というより、車体が重心部を中心にヨー回転した結果、それに連られてフロントも動いている…という印象をどうしても受けてしまう。客観視点でも主観視点でも同じ。
つまりフロントタイヤの存在感が薄いのだ。それがなんといっても残念だ。

しかしそれは「そういうもの」「このゲーム世界でのお約束」と納得して、それはそれで楽しむことができるのだが、他にもいろいろ残念な点は多い。
車の修復という概念が無いのだ。これは痛い。これではラリーではなくて単なるダートレースだ。他の定番ラリーゲームに必ずといっていいほどある、与えられた時間内で、どの部分を優先して修復するかの駆け引きって、ラリーゲームの醍醐味だと思うのだけど。
エキスパートモード以上の難易度にすると、車のダメージという概念が加わってくるそうだ。しかし取説を読む分には、修復という概念はやはり無いようで、かなりガッカリ。

タイヤの選択という概念も無いっぽい。たとえばグラベルターマックが半々のステージで、自分の得意路面に合わせて、いろいろ戦略の幅が広がるのだが。
例えば自分がグラベルが得意で、大幅にリードしているときなら、苦手なターマックを選んで安全策をとったり、自分が負けているなら、得意なグラベルで思い切ってタイムを稼ぐ賭けにでたり…。

オートマのみでマニュアルが無いのは不思議。L,Rボタンを使えなくもないと思うんだが。たしかにPSPの形状だと、L,Rボタンで頻繁にシフトするのは、指がつりそうな予感がするけど…。マニュアルを入れたとして特にデメリットがあるとは思えないので、こだわりのある人のために残しておいてほしかったな。

主観視点に設定して走っていても、クラッシュすると勝手に客観視点に切り替わるのが、たまらなくウザい。特に画面に平行に車が向いた状態でクラッシュして停止した後の再発進が、なんだか一瞬ステアリングを切る方向を間違えそうになってしまう。
客観視点になることによって周りの状況がつかみやすいというメリットもあるのはわかるけど。

ゲーム内では、プレイヤーは「実在のドライバーになっている」という設定でチャンピオンシップは行われている。実名が売りのゲームだから当然のことだ。僕はスバルのペター・ソルベルグということにしている。
しかし僕は、ゲーム内で、実在するドライバーになりたいわけじゃない。「実在するドライバーとタメ張っているカッコいい自分」になりたいのだ。ポイントランキングに、"Solberg"や"Loab"らと並んで"kanaita"という自分の名前を刻むことを目標にしたいのだ。
せっかく実名を生かすなら、そのような方向のほうがいいのでは…なにかいろいろ事情がありそうな気もするが。

あとつまらん話だけど、スバルのブルーの色が変。なんかグリーンが強いような。晴れだろうが曇りだろうが雨だろうが、車の色味が変わらないのも、ちょっと白ける。環境光の反映まではさせなくても、車体の色味を変えるくらいはしてくれてもよいのでは。

エンジン音は、海外レースゲーによくある、アクセルオンとオフとで、波形レベルで完全に切り替えているものだ。スムースネスには少々欠けるのだが、僕は好みの仕様だ。スムースさより本物っぽい音色変化を優先するほうが感情移入できて好きだ。
アクセルオン時とオフ時の音色変化は、倍音の周波数レンジの差だけではない。内燃機関の構造上、フォルマントレベルで音色は変わるのだ。
アクセルオンなら"a"や"i"、オフると"o"や"u"などに、フォルマントが変化する。
これはアクセルオンの素材を、単純にロー/ハイパスするだけでは再現できない、根本的な違いなのだ。エンジンと排気系むき出しのバイク乗りは、この点、敏感なのだ。
波形切り替え時はさすがにもう少しスムースに繋げてほしい気がするが、好感が持てる。

携帯機なので、スピーカーでプレイすることも想定したせいか、エンジン音のダイナミックレンジが狭く、いまいちレッドゾーンに入った感が伝わってこないのは残念。
しかしこのゲームは、前述のとおりオートマ専用なので、エンジン音変化を頼りにシフト操作することは無いので、それほどデメリットには感じていない。
逆に言うと、オートマ専用だという仕様だからこそ、スピーカープレイ時の聞き取りやすさを優先して、ダイナミックレンジをあえて狭めたのかもしれない。この割り切りは共感できる。

なんだかんだ言って、けっこう熱中しております。