長野県諏訪箕輪線

幸いなことに、甲信越は晴れという天気予報だったので、梅雨に入る前に長野にツーリングに行くことにする。
ほんとは、いままで二輪車通行禁止だった埼玉県の名栗湖周辺が、夜間以外は通行OKになったので、記念にぜひ行ってみようと思っていたのだが、この地域は降水確率50%だったのであきらめた。
今回は長野のお気に入りの国道152周辺で、いままで走り逃していたところを巡ってみることにする。
例によって、クリックするとでかい写真が開くものもあります。

中央道を長野に向かう。東京はどんよりとした曇りだったのだが、笹子トンネルを越えたらカラッと天気が変わって晴れ。暑くなったのでジャケットを脱ぐ。
ちょうどいい気温と湿度と風で、バイクの調子もよく、極楽じゃーと思いながら、いつもは退屈で大嫌いな高速道路走行を楽しむ。



釈迦堂パーキングエリアからは、中央道のこのあたりの地域の工事をしていた際に発掘された遺跡の博物館にいけるのだが、なんとなくいままで行ったことがなかった。今回初めて行ってみる。公式サイトはこちら。大人200円。僕のほかには2人しか客がいない。


国内の1割の土偶がこの遺跡から発掘されたとのことで、すごく期待していたのだが、なんだかあまり特色のない、小さい土偶のかけらばかりで、肩透かしであった。
とはいえ、あの有名な遮光器土偶は東北系のものであって関東では出てこないとか、木の実から作った粉に動物の血や鳥の卵を混ぜてこねてクッキーを作っていたとか、縄文時代に既に太平洋側や日本海側と交易が行われていたとか、なかなか面白かった。
言われてみれば、遮光器って要するに古代のサングラスな訳で、雪が多い東北系特有のものだというのは、納得がいくというものだ。



初狩PAで、とろろ蕎麦を食べつつ休憩。駐車場で隣り合わせた、性別不祥な感じの小柄な若者がミラーが緩んで困っていたのでレンチを貸す。美少年という雰囲気なのだが、話をしたら二十歳の女性であった。免許を取ったばかりで、松本の実家に帰るのにまずは挑戦しているとのことだった。
では途中まで一緒に行きましょうよということになった。
90キロをピシっとキープして走る。いつもなら原村のあたりまできたら涼しくなるものなんだが、あいかわらず暑いままだ。なんかおかしい気象だ。
諏訪ICで彼女と手を振って別れる。



今回の目的は、諏訪箕輪線という道だ。ツーリングマップルによると「廃村をつなぐ寂しいルート 悪路」とのことで、これはぜひ走ってみたいと思っていたのだ。地図はこちら

まずは上りダートが続く。路面はたいして荒れていないのだが、待避所が少なく、車ではすれ違いは非常に困難だろう。実際、僕以外だれにも会わなかった。

 

  


あいかわらずちょうどよい気温と湿度で、木々の香りも心地よく、林道独り占めって感じで、かなり気分よい。
結局このダートは何キロくらいあったのかな?地図で見ると5キロくらい?

 

ダートを抜けると、いきなりコロっと田園風景に切り替わる。
明らかに打ち捨てられた廃屋も多いのだが、畑や田圃はどこをみても手入れが行き届いている。どこにいっても皆さん仕事に精を出している。「廃村」というわけでもないような感じだ。そういうのを期待するとがっかりするだろう。

 


田畑を荒らす野生動物対策なのか、高電圧の電線がよく張ってあった。うっかり立ちゴケして、この電線に触れでもしたら大変だ。まあ、ビリッ!ときて、ひゃぁ〜!と声を出してしまう程度だろうが。昔のアニメでよく見たような、ガイコツが透けて見えてしまうようなショックは、さすがに無いであろう。

この道は「もみじ湖」というダム湖で終わる。地図はこちら

 

 

秋は紅葉が美しいらしいのだが、いまは全く平凡なダム湖だ。
事故か自殺か分からないが、ダムをわたる橋の欄干に花があった。

 

田園地帯はそろそろ終わり、遠くに市街地が見えてきた。もう18時半で、そろそろ日が沈んでしまう時刻だ。




さて国道153に到達した。この到達地点の信号機の地名表示が、なんだか謎であった。


北大出、原らしいのだが、この「、」はいったい何なんだ!藤岡弘、じゃあるまいし。

さて、地図を見ると、伊北ICを越えたところに「ながたの湯」という温泉があるらしいので、ぜひ行ってみる。


なかなかの混雑なのだが、浴場は広いので特に不快ではない。それほど特に特徴がない温泉という感じだ。消毒殺菌していて循環温泉なのだが、いやな臭いは全くないので気分が良い。源泉が46度ということで、湯温はちょっと高め。
温泉を出た時には19時を過ぎていて、そろそろ暗くなって来た。そろそろ今日の予定は終わりにして、国道153を南下し、宿を探すことにする。



しかしなかなか宿が見つからない。とうとう伊那市まで来てしまった。市街地に入ったところ、ローメンの店を見つけ、そういえば伊那と言えばローメンだよな、まだ食ったことないな、腹も減ったしぜひ入ってみることにする。


ローメンなのだが、ほんとに焼きそば+ラーメンという感じ。
ソース味のスープが、全然違和感なく食べられたのが見事だった。自分でソースをお好み量加えられるのも面白い。肉はこの地方らしくマトンなのだが、これもソース味のスープとたいへん合っていて、いける。
たしかにB級感あふれる料理なのだが、なかなかおいしかった。


ところで、この店では他にスゴイものも売っていました。この写真をクリックしてくださいませ。

そんなわけでいま伊那市で宿泊中。数年前、ここで自爆事故を起こして、肩の骨にひびを入れて、1カ月ほど右腕が上がらない事態に陥ったこともあり、思い出深い街である。
到着が遅れたし、ここ数カ月の疲れがどっと出た感じなので、伊那市探索はせず、おとなしく、地図を見て明日の予定を考えたり、ビジネスジャンプを読んで、この連載陣のどこがどうビジネスなんだよと考えたり、TVでようやく初めて話題の盗作騒ぎを見て、あまりのそのまんまな模写っぷりにケラケラ笑ったりなど、有意義な時間を過ごしている。