ワイルド・スピードX3 トーキョー・ドリフト(ねたバレ)

いまごろみました。公式サイトはこちら。あらすじなどはこちら。

渋谷でのカーチェイスシーンが圧巻で、こんなのいつのまに撮影したんだと度肝を抜かれたのだが、上記wikipediaによると「ロサンゼルスの街を封鎖し、そこに看板や道路標識を再現。それにあらかじめ撮影した渋谷のビル群の映像を合成」したらしい。
高速走行、高速カット割りが多く続いていたせいか全然気づかなかった。渋谷駅前交差点で、交差点をわたる人々が車の通り道を空けるように、わらわらと避けるシーンが圧巻。あの群集はCGかな。

カーアクション時の高速カット割りが上手い。アップ中心で、視点を変えつつ、目にも止まらぬ速さで割るので、迫力と観客への状況説明が上手く両立できている。
このような場合に重要なのは、音にうまい具合に、観客へ状況説明を行い、かつ集中力を保持する役割を果たさせなければならないのだ。
カットが割られても、音は基本的に全体の状況を表現している。せいぜい先行者に焦点が当たっているときは、後ろスピーカーから後続車関係の音が出てくるというくらい。
音による状況表現が、情報量が多すぎもせず少なすぎもせず、カット割りを上手くサポートしていて、良い仕事だ。
もし効果音を全オフにしたら、特に渋谷のカーチェイスなど、なにがなにやらさっぱり状況が把握できないであろう。

このカット割りは音響効果への信頼、まずありきなものなのだ。このあたり映像の人には理解して欲しい気がする。このような演出をするためには、スキルの低いヘボい音響効果では、印象が散漫になって、ちっとも状況が把握できないのだ。下手すると映像のカット割りからやり直す羽目に陥るかもしれない。

ストーリーはどうだっていいようなものなのだが、日本っぽさのディティールがいろいろ細かくて、これもまたいい仕事してる。ショーンの父親の住む下町の家の、ウサギ小屋的乱雑さとか。もし僕が長期の海外出張中にこのシーンを見たとしたら、あまりの懐かしさに涙してしまったであろう。

ハンがショーンを信頼するようになった因果関係、過程がわからないとか、ショーンやニーラの感情の変化が(演技力の問題?で)わからないとか、なんでDKとハンが普段も英語で話しているのかわからないとか、DK(ブライアン・ティー)とカマタ組長(サニー千葉)が、絶対親類には見えない(DK役はも少し濃い顔の日本人を使えばいいのに)とか、いろいろ腑に落ちないところはあるのだけど、そういうのを見る映画ではないので気にしない。

ラストバトルの舞台の、ガードレールも無い、岩が目立つ荒涼とした峠は、これは日本じゃねえだろと思っていたのだが、上記Wikipediaによると、鋸山登山自動車道とのことであった。えー、ほんと? 日本であれくらい開けた峠道で、ガードレールが無いってあるのかな? ちょっと行ってみたい気がする。