サムサッカー(バレ無し)
親指でやるサッカーの話ではなく、親指をSuckする、つまり指しゃぶりを、17歳になっても止められない少年の物語…という設定だけで興味を持ち、これは見ておこうと思ったのだった。
公式サイトはこちら。公式ブログってのもあります。
例によって、設定やあらすじしか知らない状態だったので、自意識で頭がパンパンに膨れ上がった、ナイーブな思春期の少年少女のニーズにピッタリ応えるかのような(僕にとっては)いけ好かない物語なのではないか…とイヤな予想をしてしまっていたのだが、ぜんぜんそんなことは無かった。
もちろんナイーブな思春期の青春と少年の成長物語であるのだけど、そのナイーブさは肯定も否定もされず、想定される支持層のニーズに応えようとするわけでもなく、あくまで客観的に描かれている。
おそらく、自分のナイーブさを肯定して共感して代弁してくれる存在が大好きなお年頃の少年少女たちにとっては、物足りない映画ではないかと思う。
この映画は誰かを代弁することはない。少年に悩みがあるのと全く同様に、両親を始めとした大人にも、年若い弟にも、当然それぞれの立場における悩みがあって、映画はその当然を描いていく。少年はその当然を当然と知ることによって成長していく。
PG-12指定になっているけど、むしろその年代の子供に見て欲しい、自分がその年代だったらコレ見たかったな、と思った。
音楽がすごく好みだったので、情報を得ようと思ってパンフレットを買ったのだが、その解説がなんだか「語りすぎて」しまっている。
少年少女のニーズに応えていないこの映画、言い換えれば少年少女に「自分の頭で考えろ!」と言っている映画を、「わかりやすく」解説してしまっている感じなのだ。
パンフレットというものの性質上、映画を売る側から見れば、そのような解説をするのは当然である…ということは頭ではわかっているのだけど、この「わかりやすさ」はしらけてしまうものだなあ、とどうしても感じてしまう。
音楽が、90年代のアメリカのインディーっぽい、ザックリとした、いい感じのものだったので、これはぜひサントラを買ってみようと思う。映画館を出た足で探したが、たまたま見つからなかった。
- アーティスト: サントラ,ザ・ポリフォニック・スプリー,エリオット・スミス
- 出版社/メーカー: カッティング・エッジ
- 発売日: 2006/08/23
- メディア: CD
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