ホンダ 2006年第三回動態確認テスト

ツインリンクもてぎで行われた、2006年第三回動態確認テストを見学に行ってきた。
ホンダには動態、つまりガソリンとオイルを入れれば走れる状態で保存されている4輪車や2輪車があるのだが、年に数回、実際にサーキットを走らせて状態を確認しているのだ。
過去のテストの様子は、公式ページで動画や画像で見られます。

・http://www.honda.co.jp/collection-hall/library/index.html

公式リリースよりも、実際に出走した車両は、若干変更があったようだ。
今回の出走車は

・2RC143 125cc 並2 (1961)
・RC149 125cc 並5 (1966)
・CB750_Racer 736cc 並4 (1972)
・CB750F_DAYTONA_RACER (1982)
・NSR500 499cc V4 (1988)
・NSR500 499cc V4 (1989)

・CIVIC(Race_Spec_Car) 1298cc 直4 (1984)
・RALT_HONDA_RH-6-84 1996cc V6 (1984)
・CIVIC_Si(Race_Spec_Car) 1595cc 直4 (1987)
・LOTUS_HONDA_100T 1500cc V6 turbo (1988)
・McLaren_HONDA_MP4/4 1494cc V6 turbo (1988)

この他にも、最後に水色のフォーミュラが走っていたのだが、詳細不明。

せっかくの機会だし、録音・録画の練習をすることにした。8年前に友人から永久貸与されて以来、いままで1回しか使ったことの無かった、DVカメラの出番である。2倍のテレコンを今回のために(中古で)買い足した。色収差が出るのがファインダーでもわかって、けっこうショボイ。
録音はR-09でアンビエンス、H4+NTG2でガンマイク収録して、ポスト処理で映像と合体させる。
YouTubeに短く編集したのをアップしました。




平日だが観客は結構多く、ピット上、ピット内にずらりと並んでいる。観客席にはぽつりぽつりといる程度だ。
さすがに迫力のあるエンジン音なのだが、観客が入っていないので、スタンドから聞くと、エンジン音がかなり反響してしまっている。もうちょっと近づいてオンな状態で聴いてみたかったな。
コース内側の第2パドックから見ていた人もいたようなので、僕も次の機会があったらそちらにいってみようと思う。そのかわりオンだと、全体像を捉えるのが難しいから、痛し痒しってところなのだが。

125ccで並列5気筒のRC149、さぞかしカン高い、肌理の細かい、モーターのような音がするのだろうと予想していたのだが、意外にもバリバリした太い音であった。
NSRなどの2ストのシフトダウンのときの弾けるような音や、F1の1500ccターボの回転音など、やっぱりカッコいいなあ。

行ってみてはじめて、同じ車両が午前と午後で2回走るという構成であることを知った。それなら午後の部はピット上で、オンで見たかったな。惜しいことをした。
左が午前の部で録音した位置、右が午後の部で録音した位置。

 

僕は昔のレース車両の知識はほとんどないのだけど、やはり本物のオーラって言うのは凄いもので、すっかり感激してしまった。



機材は、DVカメラとガンマイクをステーで連結し、ガンマイクはH4で録音している。H4はファンタム使用時に給電ノイズが入るので、乾電池で給電している。
手持ちで車両を追ったのだが、フレームに収めるのが難しすぎ! カメラマンの人ってすげえな。一脚を用意しておけばよかった。きっと三脚よりも一脚のほうが、僕のような素人には扱いやすいと思う。


ガンマイクのRODE NTG2は、風吹かれに意外に弱く、まいってしまった。スポンジ+ウインドジャマーで防いでいるのだが、強めの風が吹くと、保護回路でも働いたのか?強烈なコンプがかかったように「ボフ、ボフ」音が入ってしまう。ウインドジャマーがマイクに密着しているのがよくないんだろうな。これの防風対策はなんとかしないとあかん。
防風対策とH4の特性が相まったのか、いまいち抜けが悪い感じの音であった。
NTG2を最初にチェックしていたときには、安いのになかなかたいした音だわいと思っていたのだが、そのときONYXのマイクプリで使っていたから、好印象につながったのかもしれない。


R-09はミニ三脚にセットして、車両の通り過ぎる様子をステレオで狙う。R-09の純正の三脚マウントは持っていないので、H4に付属してきたものを流用させてもらった。
ウインドシールドはSM58用のもの。ディスプレイが見えるように少々切り欠いてます。これは見た目はしょぼいのに、防風効果がたいへん優秀。
そして入力ゲインを上げなくてもすむ(LOWでLevel30)今回のような音源なら、R-09はなかなかたいしたもんだなと認識を改めた。

ポスト処理をしてみたところ、以前に、R-09とH4ではクロックにズレがあるのか、ミックスするとフランジングすると書いたのだが、あえてR-09のほうをある程度遅らせて、雰囲気音として使う分には、今回の場合はほとんど気になることはなかった。

午前と午後の、2時間ずつの2回の走行の間に、1時間半の休憩があったので、その間にビデオカメラのバッテリーを充電した(予備バッテリーは持っていないし、もう売っていなかった)。しかし午後の部の最後2台ほどでとうとうバッテリー切れで、録画できず…。
H4もR-09も、電池(エネループ)は2時間電源入れっぱなしでも楽勝で持った。念のため休憩時に予備のものに入れ替えたけど。
失敗したのは、走行の合間に録音を一時停止していたつもりが、実は録音されたままになっていたことがあって、午後の部の後半はメモリーフルになってしまい、録音し逃してしまったのがあった。やっぱり現場では思いもよらないミスが出るなあ。

しかし、こうしてちゃんとスタンバって録れるような状況なら、やっぱりちゃんとしたレコーダーが欲しくなってしまう。

DVカメラの内蔵マイク(風切り音カットON)で録った音が、こちらのほうがいわゆるTVのレース映像っぽい音だった。ローは思い切り切って、コンプを思い切りガツガツに深くかけた音。たぶん現場で音を聞いてなくて、TVの音しか知らない人は、こちらのほうがよいと判断するような気がする。これはけっこう参考になった。