Red Hot + Riot: Music & Spirit of Fela Kuti

フェラ・クティのトリビュートのコンピレーション。CD屋で見るたびに気になっていたのだけど、なんとなくガッカリしそうな予感がして、数年間買わないままだった。

Red Hot Riot: Music & Spirit..

Red Hot Riot: Music & Spirit..

今日とうとう買ったのだが、よい意味で予想は裏切られて、それなりに聴き応えがあるトリビュートだった。フェラ・クティの現代的解釈って感じで、なるほど、と思ったものもけっこうあった。4曲目の"Shuffering & Shmiling - Dead Prez, Talib Kewli, Jorge Ben and Bilal"とか。
なるほど、とは思うし感心はするのだけど、どうもオリジナルのフェラ・クティを聴いているときみたいに、血液が沸騰するような感動は、いまのところ感じない。

僕がフェラ・クティのグルーブに魅力を感じているのは、粒立ちが細かい感じ、言い換えるとグルーブの最小単位が小さい感じ、その最小単位のコール&レスポンスで、拍単位のより大きなグルーブが生じて、そのグルーブの組み合わせの塊ごとのコール&レスポンスで、さらに大きな小節単位のグルーブが生じる、といった感じの、グルーブの重層構造、コール&レスポンスの重層構造なのだ。
景気の変動って、短期、中期、長期の波が重なっているらしいのだけど、ちょうどそのイメージ。
なのだけどこのコンピを聴く分には、どうも先の例で言うところの中期の波に相当するグルーブだけに留まっちゃっているように聴こえて、そこがなんか物足りない。グルーブが重層的に折り重なっていない感じ。

今はまだ、どうしてもオリジナルが先入観・価値観の基準として頭に染み込んでいるからっていうのもあるかとは思うけど。何回か聞いて、先入観なしで、これはこれとして聴けるようになったら、また評価は変わるのかもしれない。けど。