鶴見線浅野駅〜海芝浦駅〜国道駅

サラリーマン世代のガヤを録音したくなったのだが、さてどこに行こうかと迷っていたのだが、工場地帯の中を通っている鶴見線という路線があって、中には駅の出口が会社の入口と直結していて、社員しか外に出られない駅があったりする…という「鉄子の旅」ネタを思い出した。
この沿線だったら、さぞかし純度の高いサラリーマンガヤが録れるであろうと考え、さっそく行ってみることにした。
せっかくなので、ラッシュアワーの前に、これまた「鉄子の旅」でネタになっていた、面白そうな駅で途中下車もしてみることにした。

まずはホームが海辺に面しているという、海芝浦駅を目指す。
尻手駅鶴見線に乗り換え、海芝浦支線への分岐がある、浅野駅に至る。航空写真+地図はこちら。
しかし海芝浦行きは1時間に1本くらいしかない。50分ほど待ち時間がある。もったいないので途中下車して駅周辺を巡ってみる。


航空写真にも写っているように、釣り船が運河沿いにずらっと並んでいる。巨大な工場が並ぶ中、そこだけ下町風情があって面白い。


近くに入船公園がある。ウンテイなどのぶら下がり系の遊具が充実している。ジャングルジムとかの子供向けの遊具は皆無。きっと近くの工場で勤めている人が、昼休みにストレッチしていたりするのだろう。懸垂してみようと思ったが、なんと1回もできなかったのには悲しくなってしまった。中学生の頃は15回は出来たのだが。

  

首都高の下を渡ると、ごく狭い路地が延々と続いている住宅街があった。これだけまっすぐに長い路地って、ありそうで以外に見かけない気がする。この写真だとその長さが伝わらないけど…。田舎育ち郊外住まいの僕にはなんだか妙に魅力的な乱雑さだ。
怪しまれない程度にぶらぶらしていたのだが、気がつくと電車の時間が迫っていたので、あわてて駅に戻る。



さて海芝浦駅に到着した。航空写真と地図はこちら。この地図でもわかるように、ホームの片側はすぐ下に海が広がっている。

 

鉄道マニアっぽい人たちが、僕と同様、写真を撮りまくっている。鉄道マニアの人は、なんというか固有のハイテンション感を漂わせているので、ホームで並んでいるだけでもすぐに見分けられる。

この駅の出口は東芝の入口に直結しているので、外には出られないのだが、wikipediaの記述によると「東芝の計らいによって駅構内に「海芝公園」という小さな公園が作られ」ている。「鉄子の旅」では、ちょうど工事中で中に入れないってことになっていたね。
勘違いしてはいけないのは「駅構内」とはいっても、改札外にある公園なので、ちゃんと清算はしなくてはなりません。

 

 

公園といっても、海沿いの、ベンチがある遊歩道、という感じの狭さだ。しばらくベンチに座って休憩するが、時間のせいか木陰に入るベンチがなくて、眩しくてなんだか落ち着かない。しかしまあなかなか面白い駅であった。



次に国道駅に向かった。地図はこちら
高架下にある駅で、昭和30年代の雰囲気が残されていると(例によって)「鉄子の旅」で知り、これはぜひ行ってみたいと以前から思っていたのだ。
さきほど検索したところ、読売新聞のこのコラムで紹介されていました。雰囲気がよく伝わってきて面白いです。「海外」カテゴリに入っているのは謎だが。

 

駅の通路から高架下を見下ろしてみる。

 

なるほど、たしかにタイムスリップしたような不思議な雰囲気がある。営業している店が少ないのが残念だった。


これが駅入口。高架下にあるのが良くわかりますね。このあたりは高架下が住宅になっていて、その近辺も独特な雰囲気が味わえてよかったです。

ところでさきほどwikipediaを見たところ「建物正面右の角の中段(ちょうど歩行者信号の右側あたり)の外壁の凹凸は、大戦中の米軍による機銃掃射の銃弾の痕である。」との記述がある。なんと! ということはこの高架って大戦にも耐えて生き残っているものなの?! それはスゴイ!
写真を撮っていたときには気づかなかったのだが、拡大してみたところ、たぶんこれのことであろう。画像はクリックすると拡大したものが別ウインドウで開きます。


なんだか外壁を工事しているようなので、この大戦の爪痕が見られなくなってしまう日も近いのかもしれない。



このあと、会社の出入り口直結系の駅に行ってみたのだが、静かな環境のところでは皆さん静かだったり、周りがうるさい環境のところでは皆さんにぎやかだったりで、ぜんぜんガヤ録りはうまくいかず断念。酒が入った夜のほうがよかったのかもしれない。いつか再チャレンジしたい。
それにしても夕方にゾロゾロと揃って退社するという状況にほとんど馴染みがないので、なんだかこれまた違和感のある風景でありました。