コンパクトデジタルカメラ Panasonic DMC-LX1

常時持ち歩き用のデジカメとして、FUJIのFinepixF810というのを使っていたのだが、それに加えてPanasonicのDMC-LX1というのを買い足した。一つ前の世代の機種である。
現行機種のLX2を、コンパクトでマニュアルとRAWと3:2アスペクト比が使えるということで魅力を感じ、購入検討していたことがあったのだが、たまたま中古で旧機種のLX1を見つけたので、半ば衝動買いしてしまった。

この機種の一番の売りは、CCD自体が16:9のアスペクト比で、今時のワイド画面と親和性が高いというところなのだけど、その点は僕にはけっこうどうでもよい。
RAWで記録できるというのがなんといっても一番のメリットだ。しかもRAWShooterで現像できるのはありがたい。F810のRAWは対応されていなくて、面倒な思いをしていたのだ。
Jpegで撮影してみると、晴天ではコントラストが強く、彩度は高めで、特に緑などの色が観光ポスターみたいにどぎつい感じだ。この点はF810とも共通している。露出やホワイトバランスはF810よりヒット率が高い印象。
RAWで使えばF810同様、まるで別物のような良好な画質で現像できる。純正の現像ツールは一度も使っていないけど。これならデジタル一眼のサブとして充分使える。

別に画質にめちゃくちゃこだわりがある訳じゃないし、芸術作品を撮りたいわけじゃないんだけど、やっぱり一度RAWに慣れてしまうと、いかにもデジカメっぽい画質には、どうしても不満を抱いてしまう。なので出来る限りRAWで撮影することにした。
しかしF810とは違って、Jpeg記録時のコントラストや彩度はユーザーが調整できる。軽くテストしてみたところ、晴天ならコントラスト低、曇天なら標準、その他は標準が自分の好みに近いようだ。

アスペクト比を16:9、3:2、4:3の3種から選んで撮影できるのだけど、それが反映されるのはJpegで記録した時だけだ。RAWでは常時16:9で記録される。CCDからの文字どおり"RAW"なデータを記録するフォーマットな訳だから当然なのだけど。
そしてRAWで撮影しても、常時Jpegも同時に記録されるようだ。基本Jpegで使っている人が、保険としてRAWも残しておきたい、というような用途には向いているのだが、基本RAWの僕にとっては無駄にカード容量を同時記録Jpegで使われてしまうので、どうも気に入らない。これってOFFにできないものかな。

F810では、広角にした時の樽型歪曲と、倍率色収差に悩まされていた。買い替えを考える一番のきっかけだった。
このLX1では、歪曲はF810ほど気にならないのだが、逆光時の倍率色収差はF810よりも激しいくらいで、かなりガッカリだった。
RAWShooterとPhotoshop Elementsの組み合わせでは、手動でしかこれを目立たなくする手段がないので、面倒なのだ。
幸い、激しく色収差が出るのは画面端なので、3:2などにトリミングして中央部分だけ使う場合なら、それだけであまり目立たなくはなるのだが。

16:9で使えば、ライカ判カメラ換算で、広角端が28mm相当になるのも魅力だ。それはありがたいのだが、起動時に必ず広角端にセットされてしまうのは、F810と同様に惜しいところだ。
かなり以前に使っていたオリンパスのC-700だと、起動時のデフォルト画角を数段階に設定できたり、前回終了時の画角に再セットできたりして便利だった。起動時のデフォルトが40mm相当くらいになってくれたら、撮影のテンポが上がりるのだがなあ。

高感度時の色ノイズは、明らかにF810より多い。200で既に目立つ。そのかわり、手振れ補正があるので、F810だったら感度400にするような光量で、100のままシャッター速度1/10とかで使えてしまう。これはありがたい。
手振れ補正があるデジカメは初めて使ったのだけど、予想より効果が大きくて感心した。

僕はスティッチングをよくするので、マニュアルモードかAEロックは必須なのだが、LX1は両方装備していて便利だ。AEロックはオプションで、AEのみ、AFのみ、AE,AF同時にロックの3パターンが選べるのも気が利いている。

F810は、露出補正をしたりマニュアルモードで任意に露光値を設定しても、ライブビューには反映されなかった。なので実際に撮影しなければ露出が確認できなかった。F810の前に使っていたF700も同様だった。それにデジタル一眼も当然ライブビューがなかった。
もう3年ほどそんな状態でのみデジカメを使ってきたので、ライブビューというのがいかに便利なものか、いまさらながら再確認した。

Linuxザウルスで使用している、安物の2GBの低速タイプのSDカードを使ってみると、RAWで撮影した場合には、記録終了までに、なんと9秒もかかってしまう。F810の場合は4秒ほどだった。この遅さは我慢できない。
そこでR-09で使っている、1GBの高速タイプに変えてみたところ、こちらは4秒ほどで記録終了する。これでも充分遅いのだが、連写したい訳ではないので、我慢できる範囲だ。最近R-09は使わなくなってしまったから、しばらくこれでいいかな。1GBだと50数枚しか撮れないのだが。

というわけで、今の段階でF810からわざわざ乗り換えるほどの差では無かったかも、というのが正直な感想だった。
F810は尻ポケットに入れられるギリギリのサイズだったけど、LX1はギリギリ無理なので、これからもF810とLX1とで使い分けして行くことになると思う。
さっそく、実際にテスト撮影に行くことにする。