上野原丹波山線〜泉水谷・横手山林道〜砥山林道

仕事の区切りがついて天気が良かったので、日帰り範囲での、まだ行った事の無いところに行くことにした。バイクはキャブOHをする必要があるのをまだ放置したままなので(春になったからいい加減OHしなきゃ)、今回は車だ。
山梨県の、国道411から分岐している、泉水谷・横手山林道が、まだ行ったことが無い。どうもこのあたりが多摩川の源流らしく、地図を見ると渓流沿いのダートだ。なかなか面白そうなので、ここをまず目指すことにする。



上野原から県道18号・上野原丹波山線を北上していく。この道は奥多摩方面に行くときの抜け道として有効に活用できる。今日も休日だが、ガラガラに空いていて快調に走れる。道幅も基本的に広い。原付時代から、よく走っていた道だ。今日は天気もカラッと晴れていて気分が良い。


画像はクリックすると、少し大きいバージョンが開くものもあります。
そういえば車で走ったのは初めてかもしれない。点在する集落を繋いでいる道で、あまり観光めいた雰囲気は無い。

途中で、細い川を跨ぐようにして、鯉のぼりがたなびいていた。地図でいうとおそらくここかな?

 



途中に、もみじ庵という蕎麦屋があった。ちょうど昼時だし入ってみることにする。地図はこちら。


かなり太さがばらついている手打ちだ。もちもちした食感で、柔らかく家庭的な味だ。良い意味で洗練されていない田舎っぽい風味の蕎麦で、つゆはこのあたりの地方の典型っぽい、しゃきっとした辛口で、蕎麦をうまく引き締めている。僕はなかなか好みなのだが、都会の名店系が好きな人には好まれないだろう。山菜のてんぷらも、あまり癖が無く好感を持った。



さらに北上して、また集落に入ると、遠くの道端に家族っぽい集団が見えた。子供もいるようなので、飛び出してきたら危ないな…と気をつけていたが、なんだかピタリと静止して、動いていないようだ。


あれ?!と思ったら、なんとこの幸せ家族は、手作り感あふれる人形なのであった。


人形たちが着ている服は、まったく汚れておらず、ピカピカである。もしかして毎日、着替えさせているのだろうか。これには驚いてしまった。
さらに車で数分、進んでいくと、また道端に子供たちの集団が見えてきたのだが、もう驚かないぞ。人形だろう。

 

もしかしたら服も、既製品だけではなく手作りもあるのかな? このあたりの主婦の間で流行っているのだろうか。なかなか面白い趣味である。
このあたりは標高が高いのかな? 少しだが、まだ咲いている山桜があった。




さらに北上を続ける。国道139号に入るころには、どんよりと曇ってきてしまった。
小菅の湯を越えたあたりで、谷を渡るようにして、長々と鯉のぼりがたなびいていた。地図でいうとこのあたりかな?

 

先ほどの細い川を渡っているものとはスケールが違う。っていうか二つの山の間に、どうやってロープを張って、均等に鯉のぼりを並べたのだろう。



さて本日のメインイベント、泉水谷・横手山林道の分岐点に到着した。地図はこちら。分岐点に標識とかは特に出てません。カーナビがなかったら分岐点に気づかなかったかも。パラパラと雨が降ってきた。
国道411号との分岐点から数キロほどで、入口の標識があった。さらに数キロは舗装されていて、グラベルになったのはこのあたりから。かなり尖った岩の路面なので、パンクに気をつけなくては。調子に乗らず、慎重に走っていく。

 

待避所も少なく、すれ違いには苦労しそうな道だ。対向車が見えたときには憂鬱な気分になってしまったのだが、僕が左側通行での谷側(危険なほう)だったので、先方がかなりの長い距離バックして、待避所に入ってくれた。そのバックがやたらに手慣れている感じで上手いなと感心したのだが、すれ違いで挨拶したとき見たら、河川パトロール車だった。さすがだ。

ちょうど渓流沿いの、駐車できるスペースがあったところで本降りになってきたので、食事休憩することにした。この雨の中、新型セローがいいペースで通り過ぎて言った。この尖った岩のグラベルでコケたら痛いだろうなあ。40分ほど休んだら、パラパラ雨に戻った。

 

さて再出発。心配していた対向車はその後まったく出てこない。相変わらず落石が多くて道が荒れている。もう雨はやんで、ときどき太陽が雲の切れ目から顔を出して、雨の余韻を煌めかせて((c)真島昌利)いる。

 

  

尖ったグラベルが途切れて土が見えてきた。水溜りがあるので、ザバーッと通り過ぎようとしたら、なんだかモゾモゾと動いているものがある。ゆっくり近づいて一時停止してみると、ちょうど蛙が産卵して受精?しているところのようだった。

 

沼とかならともかく、この程度の水溜りじゃ、ちょっと日照りが続けばすぐ干からびてしまうのでは…。このあたりって渓流ばかりで、水が溜まるところって少ないのかな? ここ以外にも、あと2箇所で水溜りに産卵している蛙を見かけた。視力が良くてよかった。踏んづけちゃったら後味悪いもんなあ。

峠を越えると、ガラッと雰囲気が変わる。急に見晴らしが良くなって、山腹に笹が茂っている。

 

 

すると、谷から3匹の小鹿?が駆け上がってきて、道を横断して山へと登っていった。あわてて停車してカメラを向けると、視線が数秒合った。望遠レンズに付け替える時間が無くて、無理やり拡大したので画質が悪いが…。




さて国道411号に戻ってきた。林道走行の緊張から開放される。休日なのにえらく道は空いている。道端の温度計によると気温は4度だそうだ。寒い!
柳沢峠のドライブインに立ち寄る。地図はこちら。駐車場から富士山が見えるところなのだ。ここに来るのは3年ぶりくらいかな?

残念ながら富士山は雲に包まれていて全然見えない…と思っていたのだが、ホットの缶コーヒーを飲んでいる間に、急速に雲が移動していて、何とか姿を出してくれた。



国道411号を南下して、大菩薩の湯という温泉に立ち寄る。ここは初めてだ。「露天から南アルプスを一望」とツーリングマップルに書かれているので、気になっていたのだ。
しかし残念ながら、雲がかかっていて南アルプスはまったく見えず、消毒っぽい臭いもして、いまいち面白くない。湯音はぬるめなので、長時間入って疲れを取るのには向いていそうだ。



大菩薩の湯を出て、ちょっと北上して戻り、大菩薩峠へと向かう道に入る。地図はこちら。この道は、以前から気になっていたのだが、通るのは初めてだ。
やはり曇っているので眺望はそれほど面白くない。「富士山や南アルプスの眺望」で有名らしいのだが…。もし晴れていたとしても、高い木が多いので、それほど眺望は良くないような? しかし道幅は広く、運転はなかなか楽しい。


上日川ダムに到る所で、砥山林道への分岐点がある。地図はこちら。日が暮れてきたので、林道走行はちょっとリスキーになってきたのだが、日没には間に合うだろうと考え、寄り道することにした。

 

 

他の車やバイクにはまったく出会わなかった。あまり激しくないグラベルで、バイクでもなかなか楽しそうな道だ。泉水谷・横手山林道と同様、バイクでまた来たいものだな。

あとは県道に戻り、南下して、国道20号に合流して帰宅。高速に乗ろうかと思ったが、珍しく国道20号が渋滞していないので、そのまま下道をいく。なんと高尾に至るまでまったく渋滞せず、スムーズに流れていった。生まれて初めてだ。