山梨県上日川ダム〜長野県大弛峠〜廻り目平

そろそろ梅雨に入ってしまいそうなので、前回(5/21)に冬季閉鎖で行きそびれてしまっていた、川上牧丘林道の大弛峠に今度こそ行ってみることにした。
いまだにバイクを直していないし(梅雨の間に何とかするつもり)、今回もまた車だ。
この峠は、日本の車で通行できる峠道の中で、標高が最高高度とのことで、以前から行きたいと思っていたのだ。6/1から通行止めが解除されたので、再挑戦である。

まずは中央道から降りて、大菩薩初鹿野線を北上する。4月にこの道を、国道411から夕暮れの中、南下したことがあったのだが、今回は午前中に北上となる。

途中に上日川ダムがあるのでちょっと立ち寄ることにする。前回は、このダムを周回する林道を、日暮れ時に走ったので、ここは初めてだ。

 

  

画像は、クリックすると大きめのものが別ウインドウで開きます。
この花は案内板によると「高山植物の女王 コマクサ」とのことであった。このダム、wikipediaによると「標高1,486m地点に建設されていて日本の全ダム中3番目に高い標高にあるダム」とのことであった。
このときは放水などされていなかったので、いまいち見ごたえが無かった。しかし富士山がちょうど山間に見えるのはなかなかポイント高いダムだ。



国道411に合流し南下。川上牧丘林道に向かうにあたり、前回と同じコースを走るのは物足りないので、遠回りになるが、塩平窪平線を走る。

 

この道沿いにある、鼓川温泉に立ち寄るのも目的のひとつだ。ツーリングマップルには「野趣溢れる露天風呂」などと書かれていて期待してしまう。窓を開けて車を走らせているのだが、だいぶ汗をかいてしまったので、ここでスッキリしたい。マピオンには表示されていないが、地図はこちら。

内風呂は消毒されているが、露天風呂は源泉100%かけ流しとのことである。もちろん露天風呂に入る。残念ながら壁は高く、せっかくの風景は全然見えない。そんなに「野趣溢れる」ような感じもしないのだが…。
でも湯温もちょうどよいし、アルカリ泉っぽいヌルヌル感も気持ちいいし、もちろん消毒臭さも皆無だし、あまり混んでいないしで、市営だけど部外者も三時間500円だしで、なかなかよい。

腹が減ったので併設されている食堂に行ってみる。なんだかものすごくそこらの居酒屋っぽい。レーザーカラオケはあるし、「つけはご遠慮ください」とか注意書きが貼られているし…。
トロロそばを頼んだ。この季節だからもりかと思ってたらかけだった。特徴の無い普通の味だった。僕はかけだと蕎麦の味はほとんど分からないので、もりだと印象が変わるかもしれないが…。



温泉を出て、焼山林道に移り北上金峰山荘からは前回に通った道となる。
今回は川上牧丘林道のゲートは、しっかり開かれていた。


大弛峠までは全舗装で、道幅も問題なく、気分よく走れる道だ。窓を開けているので、北上するごとに、どんどん気温が下がっているのが分かる。
峠を越えて長野県川上村側に入ると、突然に舗装が無くなりグラベルとなる。登山の起点になっているらしく、道端にずらっと駐車している。

 

標高が2360mで気圧が低いため、自宅から持って来たカロリーメイトの袋が、ぷっくりと膨れてしまっていた。さすがに標高2360m、日本最高所の車道峠だ。




この峠にある大弛小屋から15分ほど登ったところに、夢の庭園という、妙にファンタジックなネーミングの展望台?があるらしいので、せっかくなので行ってみる。木の階段が作られているが、なかなか急勾配の道を登って行くので疲れる。

 

とうとう到着した。「庭園」というネーミングからして高原を想像していたのだが、10人くらいしか入れ無さそうな岩場だった。しかし見晴らしは最高に良い。

  


木の階段があるので適当な靴でも登れるし、それほど距離がある訳でもないので、せっかくこの道を走るなら、ここは必見でしょう。高所恐怖症の人はやめておいたほうが良さそうだけど。



さて川上牧丘林道に戻り、グラベルを下って行く。峠付近は少し荒れている。車高の低い車だと厳しいかもしれないが、ちょっと林道慣れしている人なら、それほど苦労しなさそうな程度だ。僕の前を走っていた四駆がブレーキランプをつけっぱなしで、ゆっくりと下っている。ブレーキがフェードしないかと見ていてヒヤヒヤした。オートマでもローに入れてエンジンブレーキ使えばいいのに…。写真を撮るために一時停止しても、再出発するとすぐにこの車に追いついて道を塞がれてしまうのでイライラする。

 



だんだん荒れが収まってきて、舗装路に入る。ツーリングマップルで「花崗岩が織りなす渓谷美 日本のヨセミテと呼ばれている」と書かれていて気になった、廻り目平というところに寄ってみることにする。
向かっている間、林の間からそれらしき岩山が見えているのだが、ハッキリ見えないな…。と思いながら走っていたところ、道が途中でゲート封鎖されて、そこは金峰山荘・廻り目平キャンプ場の入口であった。
テントなど一式は積みっぱなしにしてあるし、調理用具などは持ってきて無いのだが、パンなどの非常食は買い込んであるので、時間はちょっと早いが、せっかくなのでここに入って、今日はここのキャンプ場で宿泊することに決めてしまった。幕営料は700円で安いし。先ほど公式サイトを探したところ、Webカメラもありました。

下見したところ、特にテントごとに区画が仕切られている訳ではないようで、好感度大である。受付で聞いてみたところ、予約制の貸し切りエリアもあるのだが、今日は自由にテントを張ってよいとのことだ。見事な岩山が見える中央広場に張らせてもらう。下は芝生で快適。なのに直火で焚火をやってもよいそうだ。残念ながら僕は全く準備をしていなかったのだが。
「日本のヨセミテ」は良いのだが、この場所に入らないと、肝心の岩山が林で隠れてほとんど見られないのが残念だ。とはいっても、単にこの場所に入場するだけなら300円とのことだ。

 

このキャンプ場をぐるっと歩いてみる。設備は整っているが過剰ではなく、トイレもシャワーもきれいで、なかなか良い雰囲気だ。水もたいへん冷たくて、たいへんうまくて印象的だった。たまたま車の中に入っていたペットボトルを持ってきて、さっそく汲んだ。

 

 

 



そろそろ暗くなってきたのだが、屋根岩パノラマコースという、岩山を登るコースがあったのでさっそく行ってみる。トレッキングシューズを履いていてよかった。
急勾配だが、運動神経が鈍い僕でもそれほどきついコースではない。

  

とはいえ、登りきると、2〜3人しか入れ無さそうな狭い岩場で、さすがにこの高さでは怖い。

 

そろそろ暗くなってきたので、足元が見えるうちに急いで戻ることにする。降りるほうが登るより数段怖い。




このキャンプ場には山荘もあり、そこで入浴と食事もできるようだ。しかし食事は、予約をしていないとダメとのことでガッカリだった。しかたなく非常食として持ってきたパンを食べる。つまらない。こんなことなら調理用具も積みっぱなしにしておけばよかったかも。

独立した棟でコインシャワーがあり、そのほうがキャンプっぽいので、山荘の風呂よりこちらに入ることにした。3分間100円。短いように思うのだが、意外に3分って充分だ。途中で一時停止もできるし。湯温は調節できず熱め。


もうすっかり暗くなっていた。月が出ていないのでライトがないと歩きづらい。
ランタンなども用意していなかったので、テントの中の明りはペンライトのみ。
けっこう人数はいるが、うるさい団体などは皆無で気分が良い。このあたりはロッククライミングが盛んらしく、それっぽい大人の団体が多く、子供を連れた家族連れとか全然見ない。
それはよいのだがかなり寒い。温度を測った訳ではないが、体感的には15度以下っぽい。持っている服を全部着てシュラフに入る。とはいっても、Tシャツ1枚と、長袖2枚しかない。バイク旅行だったら、真夏でも常時セーターの類は持っているのだが…。シュラフも真夏用の、15度までしか想定していないものなのでそれほど効果はない。
真っ暗なテントの中でザウルスでこれを打ち込んで時間をつぶしている。現在21:47。



23:00近くに寝たのだが、あまりに寒くて0時過ぎに眼が覚めてしまう。小便をするためにテントを出ると、かなり恐ろしい寒さだ。たぶん10度以下だろう。
テントよりマシかもしれないと思い、車の中に入ってみたのだが、全然、体感的には変わらない。もちろんアイドリングは禁じられているのでヒーターも使えない。これなら足を伸ばして眠れるテントのほうが、ずっとマシだ。
ふと思い出して、バッグの中を探ってみたところ、貼るホッカイロが4枚、入れたままになっていた。これはラッキーだ。心臓近くとか下腹部とか太ももとか、太い血管がありそうなところに服の上から貼り付ける。これでかなりマシになったが、なにせシュラフが薄いので、熱がシュラフ内に溜ってくれない。ピンポイントでしか温まらない。
数10分眠っても、寒さですぐに目覚めてしまうのを何度も繰り返す。