LANZAキャブ取り外し

梅雨の間に、ガスが濃い症状が出てしまっていた、ランツァのキャブをオーバーホールすることにした。
以前オーバーホールしたのは、2003年の3月だ。サービスマニュアルは初歩的なことは書いていないので、全てが手探りな状態でたいへんだった。かなりキャブにアクセスするまでが面倒くさかった記憶がある。
当時、いちおう作業経過の写真は撮っていたのだが、文字で記録を残していないので、4年後の今見返しても、イマイチわからないところがある。なんでこんなに記憶力悪いんだろう…。やっぱりこうやって文章で記録を残しておくのは大事だ。
これはあくまで僕のやり方なので、もっと段取りの良いやり方があるかもしれません。



まずは両方のサイドカバー、シート、タンクを外す。燃料コックをOFFにしてからタンクを外すのを忘れてはならない。前回に僕は、負圧式燃料コックのSDRの感覚で作業してしまっていて、ガソリンをダダ漏れさせてしまった。


奥の黄色い丸はタンクを留めているボルト、手前の黄色い丸はエアクリーナーケース、バッテリーケースなどを留めているボルト。まずこれを真っ先に外す。
ノーマルのリアサスペンションの人は、サービスマニュアルに書いてある通り、サブタンクが邪魔になるので外す必要がある。僕はHyperProの一体型リアサスに換装しているので、この作業は省略。



車体右側に移る。もしかしたらバッテリーケースは外さなくても、キャブを取り外せるのかもしれないのだが、おそらくバッテリーとバッテリーケースは外したほうが、その後の作業が楽になると思う。たいした手間ではないのだし。


まずはバッテリーを外し、次にこのボルト2本を外す。ついでにバッテリー周りに腐食など危うい兆候が無いかチェックする。



車体左側に移る。エアチャンバをはずす。上で留まっているボルトを外して、エアチャンバをつかんで手前に引っ張るだけ。


引き抜くと以下のような状態になっているはず。


サービスマニュアルだと、この段階で、キャブのアイシング防止のための処置である、ラジエーターからの温水ホースを外すという指示になっている。しかし僕は前回のオーバーホールのとき、温水ホースは外してしまった。僕は真冬には、まずバイクに乗らないので、整備性のほうを優先したのだ。これまでのところ、外してから問題は起こっていない。



リードバルブとキャブの間に挿入されている、YEISチャンバを外す。これは比較的、硬いバンドでクランプされている。


ペンチなどでバンドの突起部を握ると緩む。あとは引っ張れば抜ける。




エアクリーナーボックスを後部方向に引っ張り、キャブからはずす。これがたぶん苦労すると思う。エアチャンバへの接続部のでっぱりが、ちょうどフレームにぶつかってしまうのだ。これをうまく押さえてフレームに干渉しないようにしながら、エアクリーナーボックスを後部方向に引っ張るのがコツのようだ。


エアクリーナーボックスは完全に車体から外す必要は無い。単にキャブの吸入側と、分離が出来ればOK。完全に外すと元に戻すのがかなり面倒だと思う。



車体右側に移る。キャブを留めているバンドを緩める。そのためには、邪魔になるリアブレーキのリザーバータンクを外す必要がある。




オイルデリバリパイプを外す。まずは根元を留めている金属のバンドをラジオペンチなどで少し広げて、手前に引っ張る。それからパイプを引き抜く。


引き抜くと、右画像のようになっているはず。
オイルをデリバリーするパイプなので、先端をクリップとかで挟んでおきましょう。



車体左側に移る。キャブレタトップを外す。たぶんこのネジはかなり固着していると思う。メインフレームを避けるように、苦しい体勢でネジを回すことになるので、ナメないように要注意である。
今回もかなり固着していたので、5-56を吹いて、一休みして、ショックドライバーでコンコン叩いたら、やっと緩められるようになった。


あまりスペースが無いので、キャブレタトップ動かそうと考えないほうが良い。キャブ本体を手前下側に回転させるようにして、キャブレタトップは元の位置を保つようにしたほうが良い。



これでとうとうキャブが外れ、スロットルバルブやニードルが残った。


今回はニードルも交換するので、スロットルバルブから外さなくてはならない。これが前回、サービスマニュアルに書かれていなくて苦労した。


とはいっても、やり方がわかると「なーんだ」といった感じ。スプリングのストッパー(正式名称わからず)をスロットルバルブの外に出るまでにスプリングを引っ張ると、それに押さえられていたニードルが自然に抜ける。



今回のガスが濃くなる症状は、スロットル開度全域に及ぶものだった。そのような場合、ニードルとメインノズルがぶつかり合って磨耗していることが多い原因であると、以前バイク屋さんに教わったことがある。


(6/27修正)ニードルをチェックしてみると、指で押さえているところが、少々細くなっていた。最初は磨耗しているのかと思ったが、新品のニードルも同様に、この部分が少々細くなっているようだ。



ついでなのでリードバルブもチェックのために外す。車体左側のボルトは苦労しないが、右側のボルト(オレンジ丸で囲んであるほう)が、フレームとかいろいろ邪魔で苦労する。


ある程度緩めてから、指を差し込んで、直接回して外したけど…なにかもっと楽な方法は無いものか。

さて、あとはキャブのインナーパーツの交換、清掃を行うことになる。