LANZAキャブ分解、洗浄

キャブを車体から取り外したので、次には分解と洗浄に入る。


黄色で囲ってあるパイプは、本来はラジエーターからの温水をIN/OUTしているところだ。アイシング防止のための処置なのだが、僕は真冬にはバイクに乗らないので、ラジエーターからは取り外してしまい、この画像のようにINとOUTを塞いでしまった。



まずパイプ類を取り外していく。以下の黄色で囲ってあるパイプが、ガチガチに固着してしまっていて、シリコンスプレーなどを吹いてみたりしたのだが、全く外れない。


仕方なく、パイプをカッターで縦に切り裂いて、何とか外した。


この径のフューエルパイプを忘れずに買ってこなければ…。



フロートチャンバを外してみると、内部に赤い小片のゴミが入っていた。
昨年6月に長野をツーリングした際、ある朝突然にアイドリングが不安定になって、SDRでの経験から、おそらくキャブ内にゴミが入り込んだのだろうと推測していたのだ。ゴミが気まぐれにジェットなどを塞いだりして、不安定になるのだろう。


オレンジ丸で囲んである、ドレーン排出穴に、なにか赤い付着物が溜まっている。これがゴミの原因、全ての元凶らしい。長ければ半年くらい乗らないこともあるので、ガソリン内の不純物が、キャブの最下部であるこの部分に溜まってしまったのだろう。ときどきドレーンから排出しておくのは大事だな…特にしばらく走行しなかったあとには。肝に銘じておく。今回特に念入りに清掃しておくポイントだ。



フロートチャンバのドレーンボルトを外す。上記の件もあり、念入りに汚れを落とす。




キャブ本体側に移る。やはり本体側にもゴミが付着している。


薄いオレンジ色の部品の上部に大きいゴミがついているのが良くわかると思います。黄色で囲んであるメインジェットのすぐ近く。恐ろしい。
メインジェットを外すと、メインノズルがスロットルボディ側から、するっと抜け落ちてくる。
プロスキルパーツのチャンバーを使うにあたり、ノーマルの#165から1段UPの、#175にしている。今回はノーマルチャンバーに戻す予定なので、このメインジェットはおさらばだ。


このノズルの内部をニードルが上下して、燃料供給量を決定するわけだ。ニードルが磨耗していたので、当然このメインノズルも同様に磨耗して、内径が広がってしまっているだろう。



フロートピンを、一方から先の尖ったもので突いて抜く。


いいのかと思うくらいあっさりと抜ける。SDRでは、ちょっとかしめてあるのか、抜きづらかったのだけど。これでフロートが外せる。


フロートに引っかかっていた、ニードルバルブを引き抜く。



パイロットジェットを外そうとするのだが、これがカチコチに固着していて、全く回せない。


パイロットエアジェットも同じく、カチコチに固着していて、全く回せない。


これは弱った。5-56も効かない。ちょっと「−」溝が緩くなってしまった。これではナメてしまいそうだ。あきらめて、今回は交換しないことにした。キャブレタークリーナーにキャブ本体をドブ漬けするので、それで汚れが落ちてくれるのを祈る。



パイロットエアスクリューを外す前に、現在の調整値を調べておく必要がある。1 + 1/4回転戻しだった。


サービスマニュアルにも、この値がデフォルトであると書かれていた。前回も何も変更していなかったようだ。



分解したパーツをキャブクリーナーで洗浄する。しつこい汚れを落とすために、一晩ドブ漬けすることにする。交換、組み立ては後日に行う。
フロートチャンバのガスケットと、パイロットエアスクリューのOリングを買い忘れていたので、あわてて注文する。