LANZAキャブ組み立て、チャンバー取り付け、試走

分解、内部パーツ交換、洗浄したキャブを組み立てる。基本的には前回の分解の逆の段取りを取るだけでよいので、例によってあまりにも初歩的過ぎて、サービスマニュアルに書かれていないため、僕が引っかかったポイントだけメモしておく。


メインノズルをキャブ本体に挿入する。このように、指で支えつつ穴に挿入する。穴には凸部があり、それを以下のメインノズルの凹部と方向を合わせる必要がある。


指が太い人だと苦労しそうだ。メインノズルを指で押さえつつ、オレンジ色のホルダをかぶせ、メインジェットを締めてメインノズルを固定する。



アイドリングを調節するスロットルスクリューを組み付ける。これはバラすときに戻し回転数をメモしておく必要がある。僕の場合、3 + 1/2回転だった。


これはどうせ、その場の気圧などで、適宜調整することになるのだけど、基準となる戻し回転数は再現しておいたほうが後々の能率がよいはず。前回のオーバーホールのとき、メモしていなくて、アイドリングが安定するまで面倒な思いをした。



スターター(チョーク)関係を組み付ける。一番下のバネ状の金具を、チョークレバーを固定する位置に持ってくることを忘れないようにする。




簡易油面を調整する。これは前回にオーバーホールしたときも疑問に思っていたのだが、サービスマニュアルを見ると、キャブの底部からフロートの平行面まで、12.4mm〜13.4mmと記されているのだが、これってなにかの誤植とかではないの??? この図の計測ポイントを実際に見てみると、どうみても2mmちょっとしか無い。


なので、普通に考えて、フロートがキャブ底面と平行になるように調整すればいいのではないかと思われる。前回はそのままで平行が取れていたのだが、今回は少々前下がりになってしまっていた。ニードルバルブを引っ掛けている爪の部分を曲げて、フロートが平行を出すように調整した。
とりあえず前回はこれで、問題なくキャブは動作していたので、サービスマニュアルはさておき、それにあわせることにする。



キャブ本体が一通り組みあがったので、キャブ取り外しと逆の段取りで車体に組み付ける。だんだん慣れてきてスムーズになってきた。



今回は、チャンバーの交換も一緒に行うことにする。
モアパワーを求めて、プロスキルパーツのダウンチャンバーに交換していたのだが、オフロードを走ると、チャンバーの底を頻繁に擦ってしまうのだった。どこでもそれなりに走りたいという僕の用途には、やはりちょっとダウンチャンバーは向いていないようだった。
それにノーマルのほうが低速トルクが充実していて、登りの急ヘアピンなどが快適に走れたので、チャンバーはやはりノーマルに戻すことにした。
ノーマルのサイレンサーは、いたずらで内部に異物を入れられた(それもダウンチャンバーにした理由の一つ)ので排気してしまった。中古でRSVのサイレンサーを入手した。

エキゾーストパイプのガスケットを新品交換。ここはしょっちゅう排気漏れするので、チャンバーを取り外すたびにこのガスケットは交換している。予備もけっこう溜めている。




マフラーステーは振動を吸収するためにゴムを使っているのだが、そのゴムがかなり劣化していてヒビが入っていたので、新品に交換。


セオリー通り、排気出口、マフラーステー、チャンバー後部、サイレンサー部を仮止めし、全般に徐々に締め付けていく。

RSVのサイレンサーは、ノーマルチャンバーのパイプとは、排気漏れしそうな感じの隙間があるので、ゴム製のジョイントパッキンで固定する。


これで一通りチャンバー換装終了だ。


しかしノーマルチャンバーって、プロスキルと比べようも無いほど重い! 持ち上げてみてびっくりした。押し引きすると、僕にはその差はわからないけど…。



タンク、エアクリーナーケース、バッテリーを組み付ける。
とうとうエンジン始動。めちゃくちゃあっさりエンジンが掛かって安心。暖気がすんだらもう、何の問題なくアイドリングし、吹け上がる。
ノーマルのチャンバーで、ノーマルのキャブセットアップなのだから当然なのだけど…。わかっちゃいるけどやっぱり感動の一瞬である。
まずはこの段階で排気漏れとかガス漏れとか無いかチェック。



エンジンはこの段階で問題なかったので、シート、サイドカバーを組み付ける。簡単に洗車して、これでとうとう走行可能である。



近所をぐるっと回ってチェック。特に問題は無いようだ。次に高速道路でチェックすることにする。
せっかくなので、先日に中央道と圏央道がとうとう接続したので、さっそく中央道から関越に向けて走ることにする。
中央道を西進し、八王子JCT圏央道に移る。80km/hくらいまで出す。全然問題なし。アクセル開度ごとのつながりも良好。

関越に入ってからは、全開をくれてみる。気軽に全開できるのは小排気量車のいいところだ。
やっぱり調子の良かったときの、プロスキルチャンバーの記憶と比較すると、ピークパワーは落ちてしまっている。4万キロ走ったノーマル車なりの感じ。でもピーク以外はノーマルのほうが従順で扱いやすくて好きだな。パワーバンドをほとんど意識しないで済むし。
プロスキルで全開したときの、あの弾けるような加速が味わえないのはちょっと残念なのだが、現実的に考えて、僕の好きな低速主体のくねくね道だと、ノーマルの特性のほうが楽しいだろう。
プロスキルだと、1速だと高すぎて2速だとちょっと低いようなコーナーを脱出してから、パワーバンドに入るまでにタイムラグがあって(標高が高いとなおさら)、それがイライラの元だったりしたので…。
しかし奥多摩くらいのコースだったら、プロスキルの特性のほうが楽しいだろうなあ。なんとか両立できればいいのだが。

高坂SAで一通りチェック。やはり排気漏れもガス漏れも無い。オーバーヒート気味でアイドリングが不安定になったが、これは仕方が無いだろう。


東松山のICで降りて、下道で街中走行・渋滞走行の様子を見る。渋滞走行すると、ちょっとガスが濃いのか、エキゾースト出口が黒く濡れる。走行したときのフィーリングは特に問題ないのだけど…。
もう少し様子を見てみるが、この分なら問題無さそうでほっとした。