キャブチェック 大弛峠〜瑞牆山キャンプ

LANZAがキャブのオーバーホール、ノーマルチャンバーへの交換(サイレンサーはRSV)で元の調子に戻ったと思われたので、次には気圧の変化にどう反応するかをチェックすることにした。
以前、調子が悪かったときは、標高1833mのしらびそ峠を越えるのに、ファミリーカーについて行くのがやっとという有様だったのだ。

チェックするには、つい最近に車で行った、日本一の標高、2360mの車道峠である、大弛峠に行くのがベストと考え、出発することにする。



途中の中央道もチェックに役立つ。なにせ新車時から、調子の良い時から悪い時まで、何度も走っている道なので…。
調子のもっとも悪い時には、初狩PA前の上りの辺りですでに、パワーダウンを感じたのだが、今回は問題なくクリア。気圧は946hPa。

甲府昭和ICで降りて、県道?101を北上して行く。標高1000mを越えたが、まだ問題なし。気圧は898hPa。

金桜神社を通り過ぎて、御岳林道に入る。気圧は877hPa。心なしか全閉から少し空けた時の反応が鈍くなったような。

 

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途中にマウントピア黒平という、甲府市の市営の施設があり、そこの食堂で蕎麦が食べられるようなので、昼食を取ることにする。地図はこちら。黒平と書いて「くろべら」と読むようだ。
メニューは、蕎麦とほうとうとソフトクリームの3つだけという、かなり割り切った店である。客は僕一人。このあたりは蕎麦が売りらしいので、さっそく注文する。


蕎麦はあっさりとした、軽く柔らかく、癖の無いもの。かなり平べったく切られていて、食感がふわふわしている。蕎麦の長さが短く、箸で持ち上げるど10cmもない。これはこの地方の特徴なのだろうか?
つゆはなんらかの「節」の風味が際立っている印象。とはいえそれはアンバランスというより、特徴、という印象を受けた。軽く柔らかい蕎麦に合っているのではと思う。



クリスタルラインを大弛峠方面に進む。水晶の産地だからクリスタルらしいのだが、曇天ということもあって、見た目には平凡で特徴の無い林道である。でも交通量が少ないので気分よく走れる。
気圧は860hPa。先ほどと、特に印象変わらず。


体がようやく、荷物を積んだ状態のバイクの走らせ方を思い出してきた。9カ月も走っていなかったからなあ。



さて川上牧丘林道に入り、北上し、ぐんぐんと標高を上げて行く。
気圧は833hPa。まだあまり印象変わらず。反応が鈍くなった分、無意識にアクセルの開け方をアジャストしてしまっているのかもしれない。
気圧が800を割り込み、783hPaになると、反応の鈍さがより強調されてきた。アクセルとエンジン回転がリニアにリンクしなくなってきた感じ。それでも特に走行に支障をきたすほどではない。

とうとう大弛峠に到着した。気圧は756hPa。この標高、気圧でも、走行が困難になるような症状が出なかったので安心した。課題をクリアしたって感じで嬉しい。


プロスキルチャンバーで、平地で調子がたいへんよかった時でも、井川雨畑林道の麦草峠など、標高2000mを越えるとかなりエンジンが重くなっていたので、それを考えるとやはりノーマルと言うのは汎用性が大きいものだというのがよくわかる。



この標高になるとかなり雲が出てきている。前回にも行った「夢の庭園という展望台にまた昇ってみる。前回とはかなり違った眺めになるだろう。

 

前回と違ってバイクなので、体が疲れていて、なかなか登るのが厳しい。ようやく頂上が見えてきた。

 

ようやく頂上に到着。一番高い石の上に立って見下ろす。下界はすっぽりと雲に覆われてしまっている。


これで朝日とか夕日でも出ていれば、カレンダー写真の出来あがりって感じなのだろうが、単なる曇天なので、それほど面白くは無い。



さてこれでミッション完了と行った感じだ。川上牧丘林道を南下して行く。このあたりでは瑞牆山(みずがきやま)方面には行ったことがないので、その方面に向かうことに決めた。

なにせ標高が高いので、ずいぶんと体が冷えてしまった。途中に金峰泉という温泉があったようなので立ちよってみることにする。地図はこちら


立ちより客も入れるかたずねると、700円とのことであった。泉質の表示が見当たらなかったが、少々硫黄?の香りがする。風呂は内湯で、4人くらいが入れそうな感じで、狭め。途中で僕一人だけになったので、写真を撮ってしまう。


効能書きに「胃酸過多、下痢、便秘」とか書かれていたので、飲んでもよい温泉なのだろう。手ですくって飲んでみると、微かに金属っぽい味があるような。
いま検索して、上記にリンクしたサイトを見てみると、どうも源泉は2種類あるそうだ。僕が入浴して、飲んだのは「カルシウム・ナトリウム・硫酸塩・塩化物冷鉱泉」のほうだったのだろう。



温泉から出て走っていたら、ずいぶん空腹を感じた。温泉を飲んで消化が早まった? 飲んでから10数分だからそんなことはないか。
昼に蕎麦を食べたマウントピア黒平を過ぎてから、数軒の蕎麦屋があったことを思い出し、瑞牆山に向かうルートを一時外れて立ちよってみることにする。
しかし午後3時過ぎという中途半端な時間ということもあるのか、どうも営業していないようだった。
すると藤原庵というところが営業中との看板を立てていた。そこに入る。驚いたことには、本当にごく普通の民家の庭先が店なのであった。ワイルドである。


もちろん蕎麦を頼む。余計な演出をしていない感じの素朴な味。昼のマウントピア黒平とは異なり、ほぼ正方形の断面の、オーソドックスな太さだ。もちっとした柔らかい舌触りで蕎麦の香りが強い。この点はマウントピア黒平と対照的。
共通しているのは蕎麦の長さが異例に短いことと、つゆの「節」っぽさを強く感じさせる要素だ。この地方の特色なのだろうか。


飛んで来る蝿を手で払いながら食べる。これまたワイルドだ。帰る時にご主人に「来月15日発売のGoGoツーリングに出ますから見てくださいね」と言われ納得。バイク好きはこういう店、好みだろう、たしかに。



さて瑞牆山に向かう、釜瀬林道に戻る。予定外の温泉に入ったり蕎麦を食べたりで、時間を食ってしまった。もう気が付いたら17時を過ぎていた。
今日は日帰りするつもりだったのだが、荷物を積んだ際の走行性を検証するために、テントなどを積んではいる。
もう中途半端な時間だし、ツーリングマップルに乗っている、みずがき山ヘルシーランドというキャンプ場に行ってみる。雰囲気が良ければそこで泊まろうと計画した。地図はこちら

到着すると、ガラガラでまったくテントは張られていない様子だ。木訥な感じの管理人のおじさんに料金を訊ねると「オートキャンプ場だから料金が自動車基準で、4000円と高いんですよ。オートバイなら半額の2000円でどうでしょう」とのことであった。それでもどうも高めだが、まあいいかと決めてしまう。
僕のほかには、バンガローを使う一組しかいないそうだ。なので水場近くの場所を選ぶ。混んでいるようだったら、そういう賑やかそうなところは避けるのだけど。
テントを設営しているうちに、どんどん暗くなって行く。

 

まだ月も出ていない。キャンプ場にはほとんど明かりがない。非常食のパンを食べて、地図を見て明日の計画を立てたり、これをザウルスで打ち込んだりしているうちに、もう21時くらいになってしまった。「瑞牆」を一発変換できるってすごいな。ザウルスの辞書って地名人名はやたらと豊富なんだよな。やることもないのでもう寝てしまう。ジャケットを着ていればそれほど寒くはないので、シュラフは使わない。



23時くらいに寒くて目が覚めた。やはりシュラフに入ることにする。おそらくく廻り目平キャンプ場に泊まった時と同じくらいの気温なのだろうけど、今回は厚着しているので、我慢できないような厳しい寒さではない。

2時半ごろに尿意で目覚める。半月が出ていたので、ライトをつけなくても歩けるくらいの明るさにはなっている。
暗さに目が慣れてきたら、星もだいぶ見えるようになって来た。晴れてきたのだろう。ありがたいことだ。星座になるような星だけじゃなく、小さな星までを夜空に肉眼で見たのは、何年ぶりかって感じのような記憶がある。