長野県 高ボッチ山

ツーリングマップルを見ていたら、長野県の諏訪エリアの高ボッチ山荘について「ドーンと展望の開けた稜線にあるサイト 満天の星空はもう夢の世界」との記述があり、このキャンプサイトにはぜひ行ってみたいと思った。ひさびさにキャンプツーリングにする。しかし残念ながら今回もバイクではなく車。

中央道岡谷ICで降りて高ボッチスカイラインに乗り、「高ボッチ高原」「鉢伏山」方面に向けて北上する。看板は結構多く出ているので、カーナビがなくてもそれほど苦労しないと思う。
それにしても「高」は高いところにあるからなんだろうなとは予測できるが、「ボッチ」というのはヘンテコな言葉だ。今調べてみたところ、塩尻市のサイトにこの地名の由来が載っていた。

林間の木漏れ日の下を通って標高を上げていく。日曜の午後であるためか、降りてくる車に時たま出会うくらいだ。登っていく人は僕の他には見あたらない。と、急に視界の開けた地点に出た。高ボッチ牧場である。地図はこちら


画像はクリックすると、別ウインドウで大きなものが開きます。
しかし残念ながら、牛さんは皆無であった。こんな感じのキャンプ場だったら確かに気分がよいだろうなと期待に胸を膨らませる。
さらに北上を続ける。途中にある展望台からは、天気がよければ諏訪湖越しに富士山が望めるらしい。今日はごくうっすらと見ることが出来た。右の画像は、富士山部分だけを拡大して、コントラストを高めて判別しやすくしたもの。

 

さて、高ボッチ山に到着したのだが..。

 

どうもキャンプ場っていう雰囲気ではない。地図には確かに載っているのだけど、看板も全く出ていないし…。そもそも営業しているのかもわからない。料金などを聞こうとして山荘まで行ってみたところ、「商い中」との看板は出ていたが、呼び出しても返事がない。電話予約が必要? しかし電話番号もわからない。自動販売機は掃除もされていてちゃんと動いていた(150円)ので、廃業はしていないように思う。
いま詳細な地図を見てみたところ、上の写真の場所はキャンプ場の駐車場で、西側に移動するとキャンプサイトがあるっぽかった。さすがにこれは事前に調べておけばよかったなあ。



日没を撮影したいと思ったので、ひとまず北上を続けて、いい場所を探す。終点の鉢伏山山荘まで行った。


ここはイメージ通りの場所で、泊まるのも良いかもとなかなか気に入ったのだが、無断では入れないという看板が出ていたし、人の気配もない..。ロケーションは気に入ったので、次の機会があったら、ちゃんと下調べして来てみようと思う。

さて、日没地点の視界が開けているところは、この行き止まりまで来ても、一カ所だけだった。鉢伏山山頂に向かう林道の途中にある、小さな待避所だ。その地点まで戻っていく。松本の市街地をちょっとはずれたところを見下ろす地点である。
戻ったところで、急に睡魔が襲ってきたので、車の中で仮眠を取る。



アラームで目覚めると、時間設定を間違えていて、もうすでに日没直前だった。かなり涼しい、というか寒いくらいの気温だ。ダウンジャケットを羽織って撮影を始める。


 

月は出ているがけっこう大きく欠けた三日月だ。星を見るなら沈んでくれるとありがたい。やがて日没しきって一番星を東に見つける。宵の明星? しばらく待ったがまだ空には多少の光が残っていて、両手で数えられるくらいしか星は見えない。けっこう寒くなったので車内に戻る。

今晩はここで過ごし、星空を堪能するすことにする。この「世界から取り残され感」が実に楽しい。
額にヘッドランプをつけて読書とウトウト眠りをしつつ、もっと暗くなるまで待つ。うっかり眠りすぎないように、1時間ごとにアラームをセットする。
しかしすっかり暗くなった頃には、雲の中にすっぽりと入ってしまったのか、星空どころか市街地の夜景すら見えない、視界数メートルの濃霧となってしまった。これは超ガッカリだ。



さらに何回か、眠る→起きるを繰り返していたところ、クリアに星が見えるようになっていた。あわてて飛び出て撮影を始める。

 

まだ多少ガスっぽいものの、空は雲一つ無く、満天の星空である。特に市街地がない北東方向はバッチリである。月も幸い沈んでくれたようだ。これだけクリアな星空を見たのは小学生の頃以来だ。北斗七星とかカシオペアとか、見慣れた星座の周辺に、キラキラと細かい砂のような星が散らばっている。こんなに星って多いものだったのか。違和感があるがこれが本来の星空なわけだ。
ていうか天の川も見えるし。残念ながら西側は市街地の明かりで天の川までは見えなくなってしまうのだけど。ミルキーウェイと呼べるほどハッキリとはしていないけど、確かにプラネタリウムとかで見慣れた位置に、それらしきものがある。
撮影はしてみたけど、どうしてもあの「星空に包まれ感」は表現ができない。こればかりは実際に体験しなければ、2次情報では魅力の半分も味わえないと思う。天の川はCCDのノイズにまみれてしまい、うまく撮影できなかった。

撮影している間にも、下界は雲に包まれてきた。天気の移り変わりがとても早い。

 

星空も予定通りに満喫したので、次には日の出を撮影できそうな地点を探すことにする。



翌日には松本を経由して、美ヶ原スカイラインビーナスラインと移動する予定なので、松本方面まで移動しつつ東側の視界が開けている地点を探すことにする。

崖の湯温泉を経由して松本市方面に向かうが、どうしても東側の視界が開けている地点がない。そのうちあまりにも眠くなってきたので、松本カントリークラブのあたりの路肩に駐車して寝てしまった。