SONY α55(SLT-A55VL)

使用しているデジ一眼のK10Dが、画質はともかく、動体にあまりにもピントがついていかないので、かなりうんざりしてしまっていた。スポーツとかダンスとかを撮影しようと思うと、結局、昔ながらの置きピンしか手がなかった。
しかし安価ながら動体撮影に強いα55という一眼が発売されて気にはなっていた。後継機種が発表されて安価になったこともあり、購入することにした。
レンズをどうするか迷ったのだが、動体撮影以外の旅行用途でも使いたいという希望がそうとう強く、生まれてはじめていわゆる高倍率ズームを購入した。一番値段が安いタムロンの18-200α55の場合、28-300mm相当になる。旅行用途では24から135くらいあれば充分で、その用途にぴったりのSAL16105という純正レンズがあったのだが、予算の都合で今回はあきらめた。

さてこのα55、ダンスの撮影でデビューした(これは非公開)。フォーカスエリアをオートにすると、何でそんなところを選ぶんだよ!ということが多発したのだが、その選んだエリアではほとんどバッチリ合焦していた。



そして24日に本庄サーキットで本格デビューさせた。
ダンス撮影の場合とは違い、エリアのオート選択でもほとんど問題なかった。グレーの路面にはっきりとした色合いの車体だから?しかし念のため、フォーカスエリアはマニュアルで設定した。
レンズの性能上、F8以上に絞り込んでいて、被写界深度が深いということもあるが、ピントが合っていないということのほうが珍しい、というような状態だった。これはかなり感激した。
逆に言うと、F2.8開放とかでどのくらいの精度になるのかまでは確認できない。
最高で秒10コマ撮影が可能なのだが、僕の場合はRAWで撮影しているので、すぐバッファがいっぱいになってしまう。そこまでは必要なかった。
秒6コマならその点はほとんど問題なかったが、流し撮りをしているときはファインダーが断続的に消えてしまうのですごく追いにくかった。プロのカメラマンってこの秒間コマ数で流し撮りしてるんでしょ?すごいなあ。結局据え置き撮りは秒6コマモード、流し撮りは秒3コマモードにすると僕の場合ちょうど良かった。

据え置き撮りの例

このようにそもそも被写界深度が深いので、合焦能力の確認は完全ではない。せめてカメラに向かって直進してくる車体にどの程度追従するかテストすればよかった。次の機会にはそれを試そう。

流し撮りの例

流し撮りではかなり絞り込むのでピント的には有利。問題は自分のテクニック。5年前に初めて流し撮りに挑戦したときよりはまともになったが、それでも歩留まりは3割以下といったところ。難しい。

AF以外の話題。
このカメラはEVF、電子ファインダーである。光学ファインダーと比較してしまうとさすがに見栄えは良くないのだが、EVFにはそれにあまりあるメリットがある。ファインダー像と実際の撮影画像の差があまりない。K10Dでは、テスト撮影もしくは絞り込みレバーでのプレビューで露出やコントラストなどは確認するしかなかったのだが、α55ではその必要がない。ほぼ見たままで写る。
なので、空の面積が変わるたびに露出がいちいち変わるのがうざいという理由で、基本マニュアルで撮影している僕にはとても便利だ。だいたい露出は固定させておいて、ファインダーを覗いて、ちょっと露出を変えたいなと思ったら、ちょちょいと直して、即撮影できる。要するにコンデジと同じ感覚なのだが、デジ一眼でこれができるのはとても強い。

これでISOが1EV刻みでなく、1/3EV刻みだったら文句なかったのになあ。K10Dの便利機能、TAvみたいに、シャッター速度と絞りは固定で、感度を変えて露出を合わせるという事ができる。さすがに1EV刻みでは難しい。できないことはないのだけど微調整の必要が生じてしまう。
EVFのメリットはほかにもある。絞り込みボタンで被写界深度を確認するとき、光学ファインダーみたいに暗くならない。感度アップする分ノイズは出るけど。そもそも光学ファインダーって、ファインダー像でのボケと実際の画像に差が出るということが多かったが、原理的にそれがない。
バッテリーが持たないのにはびっくりした。連射していると200枚ちょっとで20%を下回ってしまう。GPSをオフればマシになるのかな。これはツーリング用途には致命的だ。予備バッテリーを生まれて初めて買った。
カメラ本体でGPS情報を記録してくれるのはありがたい。サーキットでも、どの場所でどの写真を撮ったのかがすぐわかる。こちらを参照スマートフォンと比べると、精度も電源を入れてから追従するまでの時間も完敗である。ツーリング用途では、バッテリーの問題もあるし、GPSログスマホにお任せしたほうが良いかもしれない。しかしスマホでいちいちログを取らなくても、GPS情報が書き込まれるのはとてもありがたい。
レンズは安物しか持っていないので、今の段階では画質についてはK10Dと比較できないK10Dのメインレンズ、シグマの18-50F2.8と同じクラスのレンズを使わないとフェアではないだろう。
しかし高感度ノイズは明らかにK10Dに圧勝している。K10DでのISO1600がα55のISO6400って感じ。ちゃんとテストしてはいないけど。
α55の有名な欠点で、動画の撮影時間が短いということがある。センサが発熱してしまうためだそうだ。普通のスナップ的な動画だったら充分だが、たとえばレースの撮影とかだと手振れ補正ONで9分しか持たないというのは困ってしまう。めったに動画を撮影することはないとは思うけど。
その動画の画質自体には不満なし。フルハイビジョンまでは必要ないので、地デジサイズ(1440*1080)で30pで撮れるのはありがたい。

これは1440*1080で撮ったものを、Windows Live Movie Makerで編集し、そのままYouTubeにアップしたもの。720pでアップしたつもりだったのだが、なぜか480pになってしまった。
うーんいいレンズほしい。高倍率ズームの便利さは充分痛感したのだが、やはり画質的には残念な感じだ(Webサイズに縮小するとわからないけど)。