ポータブルレコーダー EDIROL R-09

ずっと以前から気軽に持ち運べるレコーダーが欲しかったのだが、ようやく買った。
EDIROLのR-09というものだ。公式サイトはこちら。

バイクのツーリングにも気軽に持って行ける、ポケットに入るようなサイズで、マイク内臓で、24bitで録音できるということで、これは魅力的だ。
似たようなポジションに、M-AudioのMicroTrack 24/96というのがあり、こちらは記録メディアがCF/MDで、入力端子もミニではなく、なかなか魅力的だったのだが、どうも動作にバグが多いとかいう噂を聞き(現在のファームでは解消されたようだ)、なんとなく食指が伸びなかった。

そんなわけでR-09が発表されてから、たいへん気になっていたのだが、恐ろしい人気で店頭に在庫がめったに残っていなかった。2ヶ月待ちとか普通に言われてしまっていた。もちろんネットで検索すると、在庫のある店もヒットはするのだけど、自分自身に衝動買いさせない理由を納得させるために、見なかったことにしていた。とうとう今日、残り1台の在庫がある店を発見してしまい、たまらず衝動買いしてしまった。記録メディアはSDなのはちょっと残念なところだが、いまや1GBで7千円台だったので、それも買った。

さっそく自分の声や、16年前に20000円で買った16年間一度も弦を張り替えていないガットギターを録音したりしてみた。まだ馴染みのモニターでチェックしていないのだが、予想以上に音の立ち上がりに鋭敏で驚いた。ポータブルのマイクって、アタックの反応はあえて鈍くして、レベルを稼いでるものって多いと思っていたので。低域はあんまりむちっとしてなくてあっさりめかな。
普通にしゃべっている自分の声でピークで-10dBくらいと、それほど無茶にゲインアップしているわけでもないのに、意外にヒスノイズ多いなという印象。最初自分の部屋の暗騒音かと思ったが、それにしては綺麗過ぎるヒスノイズだ。やはりマイクアンプに起因するヒスノイズだろう。ちょっとこれは繊細な音量のものを録音するには無謀かも…。せっかくの24bitの意味が無い。おそらくマイクの素性は良いと思うのだけど。
例えば、川のせせらぎの音とかなら全く問題なしだろうが、静かな森の中の鳥のさえずりとかだとキツイか。このヒスノイズがあたかも葉の鳴る音のように聞こえてしまうかも。ちょっと実戦で要検証だろう。

ローカットはロールオフするポイントがちょっと上過ぎるか? それこそ200Hzくらいから落とし始めてしまっている? 風吹かれノイズをカットするのが主な目的だろうから、しかたがないといえばしかたがないんだが、低い男性の声とかだと、ラジオっぽくなってしまいそうだ。ちょっと使いたくないなあ。マイク部分にちょうどよくかぶさるスポンジとかないかな。

AGC(オートゲインコントロール)は、コンプ臭さがわりと強烈で、しかもピークでビリつくことがときどきあるのが気になった。入力レベルがダイヤルではなくてボタンなので、突発的な音量変化に指コンプで対応するのが不可能なので、AGCに頼ることって多いと思うんだけど。残念。スレッショルドレベルが固定なのは仕方が無いが、インプットレベルは固定になってしまう動作(なのでリミッターではなくオートゲインコントロールという扱いになる)なので、インプットをあらかじめ下げ目にして、突発的に飛び出すところだけリミッティング…というのも無理。
ボイスレコーダー的な用途で使うなら、全然問題なくバッチリだと思うのだけど。

もうちょっと要検証な感じもあるが、環境音の収録に使いたいという用途には少々物足りなくて残念だ。
しかしマイクゲインを下げられる、比較的大音量の録音ソース、例えばバンドの練習とかなら、かなりバッチリ使える製品であると思う。