ポータブルレコーダー EDIROL R-09 その2

使い慣れたヘッドホンのAKG K271で改めて音質のチェックをしてみる。やっぱりS/N悪い感は否めない。
特性的にも、中高域がガサついているのと、中低域に力が無くて、全体に芯が無い感じがどうも気になる。
近所の工事現場を録音してみると、金属の衝撃音はなかなかの分離を見せているのだけど、低域は音の立ち上がりがピンボケて、ごちゃっと溶け合っている感じ。もっとも、これはローカットを入れている影響かもしれない。かといってローカットを入れないと、ヘッドホンですらほとんど聴こえないような、30Hz以下の低周波にピークで-30dBも反応しちゃったりするので、屋外だとどうしても入れたくなってしまう。
とはいっても「いつもだったらこんな感じで録れるのに」という感覚の基準が、DATデンスケ + C414だったりするので、価格でいったら数%のR-09に、そこまで比較するのは酷というものなのだが。価格を考えたら充分たいしたものだと思う。これで録った音に主役を張らせるのは、ちょっときついかもしれないが、脇役とか隠し味なら充分いけるだろう。

それにしても、できるだけの修正は試みたい。このレコーダーの特性表をググってみたところ、バッチリなものがすぐヒットした。

・R-09のマイクの角度/周波数特性/指向性を表す図

うわスゴイねこれ。マイク自体は見事にフラットなんだけど、その後がかなり極端なピークがついている。10kで+10dBですよ。これでかなりホワイトノイズ強調されているのかな。2k〜5Kが4dBくらい持ち上がっているのは、ガサつき感に関連しているだろう。20Hzで+7dBくらいになってるのは、ローカットしないとガンガンに反応している低域に関係するだろう。
では、このR-09特性の逆カーブにEQをかけてみる。マイナス方向の補正用途には、Qシリーズが向いていると思う。ポイント多いし。


ああ、これでずいぶんガサつき感やホワイトノイズ強調感は減少してスッキリした。
とはいえ、耳で聞いたときの印象に近づけるなら、このEQより高域のカットは減らしてもうちょっとシャッキリさせて、250HzあたりにQ広めで+3dBして、中低域にむっちり感を加えたほうがいいような気がした。それでも低域の立ち上がりの情報量不足は、EQではどうにもならないし、むっちり感を加えたからといって、芯はぼやけぎみなのは変わらないが。
とはいえ重ねて言うが、価格を考えたら充分コストパフォーマンス高いし、使用用途によっては充分実用になると思う。