カラスヤサトシ単行本発売

以前にも紹介した、いまアフタヌーンで一番面白い漫画家であるカラスヤサトシの単行本が満を持して発売されたので、さっそく買ってきた。

カラスヤサトシ (アフタヌーンKC)

カラスヤサトシ (アフタヌーンKC)

しかし、いま見たら、著者名が「カラス ヤサトシ」となっていて笑った。アマゾンにすらイジられているようだ。カラスさんかよ。
先ほど一気読みを終えたところなのだが、やっぱり笑いまくった。
腹いっぱい食ったときの「は〜、いっぱい食ったわ〜」という満腹感と、うまいものを食ったときの「は〜、うまいもん食ったわ〜」という満足感は、どちらが上とか下とかではなく、別の価値があるものなのだが、その両方が一気に味わえて楽しい。

前回に紹介したときにも似たようなこと書いたのだけど、ありがちな自虐ギャグの人って、「笑わせる」というより「笑われる」ことに命を懸けている感じ、「こんなにダメな自分」をアピールすることで、小市民の優越感を刺激して笑いを取る感じ、それがなんか痛々しいというか、卑屈な感じがあって、笑ったあとの感情がなんかスッキリしない(というかそもそも笑えなかったり)するもんなんだが、カラスヤサトシの自虐は、キッチリと他人を笑わせるギャグとして成立していて、痛々しさを感じず、読後感が気分いいのだ。

今週は週刊少年マガジンの「もう、しませんから」略して「もうしま」とコラボして、富士山に単行本ヒット祈願に登山した話が両者で平行して描かれていて、それもまた面白かった。
もうしまも単行本を買うほどじゃないけど、マガジンで真っ先に読む好きな漫画だ。作者のイジラレ系ギャグなのだが、キッチリと笑わせるギャグで卑屈さが無い。カラスヤ氏も「もうしま」好きで、全巻単行本を持っているそうなのだが、なんとなくわかる気がする。
しかしその「もうしま」では、カラスヤ氏のことを「あなたの知らない漫画家シリーズ」などと紹介していて、そりゃひでえなとまた笑ってしまった。
ぜひ単行本がヒットして、思う存分ガシャポンでバトっていただきたいところです。